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平成29年度                                                            舞岡公園の植物へ
1月17日(火)
1月
カワヅザクラ ミズキ オオシマザウラ エノキ キブシ

1月17日(火)
 今日は天気がよさそうなので、今年初めて舞岡公園へ出かけた。地下鉄の駅を出ると、明るく、暖かいので、上着を1枚脱ぐことになった。バスを待つこと数分、直ぐ何時ものバスが来た。バスの中は、いつもは空席が目立つのだが、今日はどういう訳か、空席が少ない。何とか空席を探し坐ることが出来た。バスに乗ること10分ぐらいで、目的地に着いた。

 公園内は風がなく暖かい。今日はおおばな橋を渡って、エノキ休憩所にあるカワヅザクラを最初に見ることにしている。カワヅザクラはエノキ休憩所の一番奥に1本だけある。冬芽は沢山出来ているが、皆上の方にある。この状況だと、望遠写真を撮ってみるしかない。太陽の日がよく当たっていることもあり、冬芽には艶がある。下の方は濃い褐色をしているが、上へ行くと色は薄くなってくる。先端は黄緑色の部分が多い。

 「エノキ休憩所」の名前が付いているが、ここには大きなミズキの樹が数本ある。ミズキの冬芽は暗赤色で綺麗である。太陽の光を反射し、光っているところが強く印象に残っている。望遠写真を撮ってみた。やはり綺麗な冬芽である。芽鱗の枚数は少なく、上の方に明るい芽鱗が現れ出している。

 ここにはオオシマザクラもある。この冬芽は手の届きそうな高さにあった。見ると、小さい。自宅近くのオオシマザクらの冬芽は1㎝近くの大きさがあるが、ここのは7㎜であった「随分小さく、成長が遅いなぁ」と思った。オオシマザクラはカワヅザクラの片方の親である。拡大してみると、カワヅザクラの冬芽とよく似ている。何方にも毛がなく、濃い褐色で、艶がある。カワヅザクラの大きさは計測できなかったが、目分量ではオオシマザクラより大きく見える。

 休憩所の名前が付いているエノキの傍へ行き、冬芽を見た。しかし、下から枝を見ていてもどこに冬芽があるのかさっぱり分らない。低そうなところの冬芽を探し、撮影した。それでも、どうなっているか分かるような写真ではなかった。昨年2月27日に撮影した時は三角形をした冬芽の写真が撮れていた。すると、未だ冬芽を見るのには早いのかもしれない。

 エノキ、ソメイヨシノ等が植えられている斜面を下り、キブシのところへ行った。昨年の11月ごろ、ここのキブシを見ているが。その時の枝や冬芽は緑から黄緑色をして新鮮であった。キブシの冬芽はどこでも最初は綺麗な色をしていたが、寒さが増してくると、枝や冬芽は濃い茶褐色へと変わってきた。一寸見ると寒さで萎びたように思えた。今はどうなったか見ると、色は濃い茶褐色の中に黄色味がかった部分が見え始めている。今は、膨らみ、弾力性があるように見える。今までの姿は、寒さを堪えていた姿だったかもしれない。

撮影:1月11日
  記  平成29年1月11日(水)
1月18日(水)
クヌギ アカシデ ナツツバキ リョウブ ウグイスカグラ

ヤマコウバシ

1月18日(水)

 ばらの丸の橋の手前にクヌギの樹がある。今日はこの樹の冬芽を見ようとしている。この樹を最初に見た時は、クリの樹とばっかり思っていた。小さな果実が出来た時も、疑っていなかった。しかし、この樹の果実は一向に大きく成ってこなかった。「不思議だなぁ」と思っているうちに、果実が落下し始めた。落下した果実を見て驚いた。この果実はクヌギである。クリの樹と思っていたのはクヌギと分かった。調べていくと、突き出た葉脈が緑色をしていればクリになることが分かった。幹からは、まだこの2つの区別がつけられない。クヌギの冬芽を何とか捉えたいと思っていたが、何時も高いところにあるので、諦めていた。今日は天気いいので、望遠で撮ってみようと思い、撮影した。冬芽は薄い褐色で、楕円形をしている。芽鱗は薄い褐色で、毛があるようだ。ソメイヨシノを連想する。

 ばらの丸の橋の両側にアカシデの樹がある。昨年は、ここのアカシデの冬芽等を何度も見に来た。赤褐色に光る冬芽を見ては、「綺麗だなぁ」と何度も思った。その内、突如として、細長く、ひとまわり大きな冬芽が出現した時は驚いた。その時、大きな冬芽が雄花の花序であり、小さい方が雌花の花序であるとこを知った。今見るアカシデの冬芽にはいずれも大きさに違いが現れていない。何時違いが現れるのか楽しみにしている。この冬芽は、他の冬芽より芽鱗の枚数が多く、それが規則正しく重なり合っている。

 橋を渡ると、右側にキブシが見えてくる。更に進むと、ハコネウツギ、ムラサキシキブなどが現れてくる。次に見るのはもみじ休憩所のナツツバキとリョウブである。ナツツバキの冬芽は、外側の硬い芽鱗が剥がれ始め中の毛が見え始めている。この中のものが、次にどうなっていくのか、まだよく分らない。昨年は、白色の毛に包まれた蕾が現れ、それが花開いて行った。この過程をもう少しよく調べてみたいと思っている。

 側にリョウブの樹がある。この冬芽も外側の硬い芽鱗が剥がれ始め、帽子をかぶったようになっている。このような冬芽の姿は、色々な資料によく紹介されている。リョウブの冬芽はこの硬い芽鱗が剥げると、裸芽となり、その状態で開花を待つことになる。この冬芽から、長い花序が出て、小花が咲く。

 ばらの丸の丘から水田へ向かう坂の途中にウグイカズラの樹がある。この樹から早春薄いピンクの花が咲く。今日はこの花を見るのが1つの目的になっている。花が終わると、もうこの樹がどこにあったか分からなくなってしまう。昨年の暮れ頃、検討をつけ探してみたが所在が分からなかった。ばらのまるの丘から坂を下り始めると、花が咲いていたので、ウグイカズラの樹はすぐ見つかった。見ると、葉に先駆けて咲いている。暮れに探しても、葉がなかったので、手掛かりがなかった。円筒型の花で、先が5つに分かれている。中をのぞくと、5本の雄しべと1本の雌しべが見つかる。

 更に降りて行くと、ヤマコウバシの樹がある。昨年は、この花の開花を見損なっている。暮れに、この冬芽が赤紫色に染まり、綺麗に映っていたことを覚えている。今は濃い赤褐色の芽鱗に覆われ、合わせ目がしっかり閉じている。基の方は光に照らされ、輝いているが、先の方は毛があり、白っぽく見える。

撮影:1月11日
  記  平成29年1月12日(水)
1月19日(木)
ハクバイ キリ ガマズミ ウツギ ハンノキ

ロウバイ

1月19日(木)

 坂を下り切ると水田が見えてくる。水田には収穫を終えた切株が残されている。この風景も水田の冬の風景である。都会においてはこのような風景を見ることは希である。

 水田へ出たところに大きなキリの樹とハクバイの樹がある。キリの樹は2本あったが、昨年1本が伐採され、1本になって仕舞った。キリの樹が2本とハクバイの樹があると、ここに見事な光景がつくられたのだが、今年からは、あの光景を見ることが出来ない。一抹の寂しさがある。「ハクバイは咲いたか」と気になっていた。坂の途中から身を乗り出してみた時、白色のものが沢山見えたので、咲き出したことが分かった。近づいてみると、大分咲いている。しかもこのハクバイは八重であるので、一層花が沢山咲いたように見える。

 ハクバイの隣にガマズミの樹が数本並んでいる。白い花、赤い果実の時期はそれぞれ違った趣がある。ここは日がよく当たるところなので、花は眩しく、果実は輝いて見えた。舞岡公園の入り口として綺麗な光景を作り出す。冬芽を見ると、外側の芽鱗に隙間が出来て、中の赤いものが見えている。芽鱗は2対あり、1対は小さいという。この写真ではもう1対が見えない。

 ここからは畦道になっている。畦道は霜でぬかっている。都会の道はどんなに細い道も舗装されているので、ぬかった道を見ることは無くなってしまった。これも季節感から遠ざかった1因になっている。畦道を水路沿いに進んだ。ネムノキ、ウツギ、ハンノキが頻繁に現れてくる。ネムノキにはごく僅か果実が垂れ下がっている。ウツギを見た。幹には、縦方向に入った褐色の線模様が見える。冬芽は各節に対に付いている。三角形の形をし、数枚の芽鱗に覆われている。

 つづいてハンノキを見た。この冬芽を見るのも、今日の1つの目的である。「もうそろそろ花序が見えても可笑しくないのでは・・・」と思って、前回からハンノキを見ているが、一向にその気配が見えてこない。葉芽は沢山見えているが、花序が殆ど見えないのはなぜだろうか。昨年、一昨年の記録を見ると、今頃ハンノキの雄花の花序が沢山見えていることが分かる。

 ネムノキの2番目の休憩所を出たところで、黄色い花を見付けた。これはソシンロウバイである。ソシンロウバイはここに1本と、もう1か所、瓜久保休憩所の奥に1本がある。この花を見るのも今日の目的の1つになっている。ソシンロウバイの花弁は蝋のような艶があり、薄く透き通っている。ソシンロウバイは咲いて日にちが経つのか、枯れ始めた花弁も見られる。この状況だと、瓜久保休憩所の奥のソシンロウバイが気になる。

 畦道から園道へ上がり、古民家の庭へ入った。今日は、古民家の関係者以外はほとんど人がいず、静かである。庭が広いので、寂しいようである。庭のウメの樹を見たが、花は未だだった。前の斜面を見ると黄色い花が咲いている。今見て来たソシンロウバイのようだ。庭を横切り奥の花壇を見た。そろそろ咲きそうな黄色い大きな蕾が見える。此方はロウバイになる。ソシンロウバイにそっくりな花を咲かせるが、この花弁は透き通っていない。

撮影:1月11日
  記  平成29年1月12日(水)
1月20日(金)
ミツマタ オニシバリ オニシバリ オニシバリ:果実 マユミ

ツグミ ハクセキレイ オニグルミ

1月20日(金)

 古民家の裏庭へ入ってみたが、花はなく、1人の人が庭の手入れをしているだけで、閑散としていた。ここは近くの樹の葉で覆われ、日陰になっているときが多いが、冬のこの時期は、葉は落葉しており、日が射していて明るい。ここに2月下旬、フクジュソウが咲いてくる。「何か気配が見られるか」と見たが、今のところ何の気配もなかった。あと1か月ぐらいで、芽を出し、花をつけるようになるのだろうか。足早にここを通り過ぎ、ミツマタのところへ行った。ミツマタを見た時、「あれっ!ひとまわり小さくなっている」と感じた。前回見た時は、苞葉が開き、中から蕾が出てきていた。何故小さくなったのか、写真をよく見直してみた。すると、苞葉がなくなっていることに気が付いた。苞葉がなくなっただけで、全体が小さく見えたのだった。蕾を見直すと、前の方に長く伸びていることが分かった。

 古民家の門を出たところにオニシバリがある。昨年の6月3日に赤い果実をつけていたのが強く印象に残っている。この花も撮影した記憶があったので探してみると、昨年の3月15日に撮影していたことが判明した。薄い黄緑色の筒状花で、先が4つに分かれている。今見ると、蕾が付いている。「この蕾を見て、一寸変わっているなぁ」と思った。細長い蕾で、先が黄緑色をし、基の方の筒は濃紫色をしている。この形から筒状花になりそうだと連想できる。

 再び水田へ戻ってきた。畦道を歩くと、ハンノキが頻繁に出てくる。しかし、どのハンノキにも花序の形跡がない。どうしてなのか不思議でならない。水車小屋へ着いた。ここにつくと、カメラを持った人が何人もいた。皆バードウオッチングをしている人である。何か珍しい野鳥が見られるかもしれない。ここでは、野鳥をひとまず置いて、ここにあるマユミを見た。この冬芽を見て、「マユミの冬芽は、こんなに小さかったかぁ」と疑問を抱いた。確か、他の場所でも見てきている。その時は、こんなに小さくなかった。計測してみると、長さ、幅とも1~2㎜である。マユミの冬芽は赤褐色で、対についている。丸みがあり、小さいながら膨らんでいる。これでもマユミの冬芽の特徴を表している。

 バードウオッチングの仲間に入り、どんな野鳥を見ているのか、視線を皆さんと同じ方向へ向けた。何かが動いていることが分かったので、直ぐカメラを向けて撮影してみた。黒い頭で、目から頬にかけて黒くなっている。嘴も黒く、先が下へ曲がっているようだ。翼は茶褐色で、胸と腹には黒い斑点模様が見られる。この野鳥は、先日見たツグミになる。

 畦道から園道へ出て進んでいると、目の前に小さな野鳥が飛んできた。よく見かけるハクセキレイである。この野鳥に似たものにセグロセキレイがいるが、見かけるのは殆どがハクセキレイで、セグロセキレイを見かけることがない。2種類の違いは、顔を見ればわかるという。ハクセキレイは白色で、セグロセキレイは黒色だという。

 天気が良く、明るいので、オニグルミの冬芽が撮影できそうなので、狸久保広場へ向かった。細い農道を、農地を見ながら入って行った。この時期だから人は殆どいない。狸久保広場へ来ると、オニグルミの梢は太陽の光が当り、明るくなっていた。冬芽は高いところにあるが、望遠で何枚か撮影した。薄い灰褐色で、縦方向に稜があり、角張っているように見える。まだ、上へは伸びていないようだ。

撮影:1月11日
  記  平成29年1月12日(水)
1月21日(土)
マンアサク ニシキギ カッパ池 ヤマグワ ソシンロウバイ

ソシンロウバイ ソシンロウバイ

1月21日(土)

 瓜久保休憩所からカッパ池へ向かい始めると、枝から黄色いものがはみ出ていた。それを見て、「これはマンサク」と思った。一昨年は2月7日に開花を見ている。こんなに早く咲き出すのかと再認識した。今日は、たった1輪が丁度咲き出す場面だった。こういう機会は2度とはないだろう。他には開花寸前の蕾はないだろうかと探すと、1~2輪が口を開きかけていた。マンサクの花弁は平行の紙切れのようで、珍しい花である。

 マンサクの直ぐ上に、ニシキギがある。この枝には翼があり、面白い枝をしている。ニシキギの冬芽は自宅近くの公園で見ている。赤褐色で、4稜があり、四角錐のような形をしていた。ここは日当たりが悪いせいか、冬芽は非常に小さい。肉眼では詳細は分からない。写真を撮り拡大してみると、頂部に1つだが、各節に対になってついている。芽鱗は灰褐色で、芽鱗の縁が不規則に刻まれている。4稜は明確でない。

 上へ上がりきって、これから進むソシンロウバイの方を見た。ここには左側に、エゴノキ、ハンノキ、ヤマグワがあり、右側にはケヤキ、カエで、ヤマグワ、などがあるが、いずれも1枚の葉もついていない。注意して見ないと、夏ごろとは違い、どれも同じ樹のように見え、違いが判らない。典型的な冬景色である。

 手前のヤマグワの冬芽を見た。太った三角形の形は以前とほとんど変わっていない。冬芽は2枚の芽鱗の間に挟まっているようだ。冬芽の下に円形の葉痕が写っていた。維管束痕は円形だというので、確認した。数は不明だが、円形に並んでいそうだと分かる。

 今日の課題のソシンロウバイのところへ来た。既に、ここへ来る前に、ネムノキの第2休憩所の横でソシンロウバイは見てきたが、ここで見るのが課題であることには変わりがない。予想以上に開花していたが、まだ蕾の数が多い。澄み切ったこの黄色い花弁が何とも言えない美しさである。花弁の数は何枚あるだろうか。数えようとしたが、1枚ずつ取って行かないと数えることが出来ない状況にある。資料によると、「花は多数の花被片がらせん状につき、花弁と萼片とに分かれない」とある。

 資料:http://matsue-hana.com/hana/sosinroubai.html
撮影:1月11日
  記  平成29年1月12日(水)
1月23日(月)
コウバイ ハクバイ ミミツバツツジ リョクガクシダレ シダレウメ

ブンゴウメ クサギの冬芽

1月23日(月)

 カッパ池は底に少し水が溜まっているが、黒々とした底が丸見えになっている。ここは日当たりが悪く、今頃、例年氷が張っているが、今年はまだその光景が見られない。

 奥の広場にハクバイ、コウバイがある。公園の入り口でハクバイが咲いているのを見てきたので、ここではどうなっているか、気になっていた。遠くから見ると、どちらも花は咲いていないように見えた。「ハクバイが咲いていたのだからぁ」と思い、近づいた。すると、コウバイにピンクの花が数輪見え、咲き出したことを確認した。隣のハクバイは、蕾だけで、どこにも花はなかった。例年、ここではコウバイが先に咲くようだ。昨年も、コウバイが咲いてからハクバイが咲き出した。

 ここの広場の入り口に、ブンゴウメと思われるものがある。此方は例年、ハクバイ、コウバイより開花が遅い。冬芽を見たが、まだ小さい。ここを通り、未だ名前の分からない樹のところへ行った。この樹は3枚の葉が互生する樹である。冬芽を見ると、大分膨らんできている。下は黄緑色で、上が少し紫色を帯びている。

 再び瓜久保休憩所へ戻ってきた。休憩所には2組の親子連れが来ていた。子供は床の間を駆け回っている。この休憩所の周りにいろいろなウメの樹があるので、1つ1つ見ていくことにした。

 最初に見たのは、シダレウメである。このウメの萼が緑色をしている。萼が緑色をしているものをリョクガクバイと呼んでいる。このウメはリョクガクバイでも枝が垂れているので、リョクガクシダレというのか、それともシダレリョクガクバイというのか正式名は分からない。冬芽は綺麗な緑色をしている。

 此方は普通のシダレウメである。冬芽は、リョクガクシダレは緑色で先が丸いが、此方は赤褐色に、薄い緑色が混ざっていて、先が細くなっている。

 最後に見たのはブンゴウメである。ただ、これが確かにブンゴウメかどうかはまだ明確ではない。ここのウメの仲間では、最後に開花する。冬芽は丸く、芽鱗は緑色と赤褐色が混ざっている。

 瓜久保休憩所を出たところにクサギがある。大きなクサギで、花期や、果実期にはよく目立つ。帰りがけに冬芽を見た。冬芽は、枝を覆う沢山の毛に包まれたように見える。大きな塊の傍に小さな塊がある。詳細は分かりにくい。上に円形の葉痕が見えるが、下の方が冬芽の出現によって、破られているように見える。

撮影:1月11日
  記  平成29年1月13日(金)