平成29年度                                                            舞岡公園の植物へ
11月1日(水)
アワブキの冬芽 アワブキの枝の下に見えた2種類の葉 ヤマグワの葉 アワブキの葉 アワブキの果実

左:コブシ 右:ヤマボウシ 前田の丘の景色 前田の丘の景色 (6月27日) ニシキギの葉 クヌギの冬芽

ヤマザクラ?冬芽 ヤマザクラ?花

11月1日(水)

 さらに上の奥へ入ると、アワブキの樹がある。昨年の12月8日、ここでこの冬芽を見た時、「チョキを出した手首の形」が印象に残っている。この冬芽の表面は、柔らかな毛で覆われた裸芽であり、アカメガシワの冬芽に似ている。5月24日には、泡を吹いたような小さな花を見た。この花も形が変わっていたので印象に残っている。今日再びこの冬芽を見ることになった。この樹の冬芽は枝の先に集中しているようだ。

 資料: https://blogs.yahoo.co.jp/yokohamaiwao/15143897.html

 芽を見た後、このアワブキの樹の下へ目をずらした時、2種類の葉が目に入ってきて、驚いた。そこで、「これはどういうことなのだろうか」と、調べ始めた。1つはヤマグワに似た葉で、もう1枚はアワブキ本来の葉である。2種類の葉の枝を辿って行くと、どちらもアワブキの根元から出ている。それにしても変に思えたので、アワブキの根元をよく見直した。すると、ヤマグワの葉を付け枝は、アワブキの幹に接するように、少し離れた所から出ていた。これで、謎が解けた。

 別のアワブキの樹を見ると、9月14日にほんのりと赤くなり始めた果実が殆ど無くなっていた。残ったものも色があせ、萎みかけている。多くは落下したか、鳥に食べられたのだろう。

 資料: https://blogs.yahoo.co.jp/yokohamaiwao/15572075.html

 奥のコブシとヤマボウシを見ると、ヤマボウシはすでに葉がなくなっていたが、コブシにはたくさんの葉が残っていた。コブシも落葉樹であるからいずれ葉が落ちることになる。同じ落葉樹でも、落葉の時期がだいぶ違っているようだ。

 クヌギ休憩所から遠方の写真を撮った。サクラやヤマボウシの葉は落ち、生命の躍動感があった下草は刈られ、地肌が露出した景色には冬を迎える寂しさが感じられる。

 先日、一足早く紅葉していたニシキギの葉が大分落ちてしまった。ニシキギの葉は真っ赤になり、見事な紅葉を呈する。この紅葉の写真を残したかったが、残念だった。

 クヌギ休憩所へ行くと、新しい枝が落ちていて、冬芽をつけていた。ちょうどいいチャンスと思い、写真を取り調べた。冬芽は枝先に3個ほどついていた。冬芽はまだ小さく、計測すると、長さが1㎝、幅が3㎜であった。芽鱗は毛深い。

 前田の丘の中央に、桜の木が5本ほど植えられており、4月10日に八重の大きな花をつけた。その時、サクラの名前か調べてみたが、分からなかった。冬芽を確認しようとしたが、冬芽は高い位置にあるので、詳細を知ることが出来ない。

撮影:10月27日
  記  平成29年10月28日(土)
11月2日(木)
カクレミノ カクレミノ ブンゴウメの冬芽 ミツバツツジ ミツバツツジの冬芽

カッパ池 ヤマボウシの紅葉 ソシンロウバイ ソシンロウバイの冬芽 ソシンロウバイの花

11月2日(木)

 前田の丘から山道を通り瓜久保へ進んだ。ここの山道の両端にはコナラが目立つ。山道へ入ると暗くなっってきた。左側にムラサキシキブがあったが、と思いながら進むと、カクレミノの葉が見えた。カクレミノの葉は大きく、2~3の深い切れ込みが入っている。藪の中なので、ここにカクレミノがあったことに今まで気が付かなかった。

 この山道の右側には、オニシバリがあったのだが、この前ここを歩いたときは見つからなかった。今日は見つかるかと期待したが、やはり見つからなかった。下草が刈られているので、その際、刈られた可能性が高い。この山道で見たあの赤い果実が印象に残っている。左の下の方から人の声が聞えてきた。前田の丘へ入る時、幼稚園のバスを見かけたので、若しかしたら園児たちがにぎやかにしているのかも知れないと思った。階段を降り、瓜久保へ出た。奥の広場へ小学生が向かっている。先ほど聞こえた声は小学生だったようだ。小学生が沢山来たので、入り口近くにあるブンゴウメの冬芽だけを見ることにした。ブンゴウメの樹を見ると、冬芽は小さく、撮影できそうなものはなかなか見つからなかったので、仕方なく、小さなものを撮影した。長さ幅とも1~2㎜ぐらいで、殆ど計測できなかった。写真を拡大してみると、葉腋に冬芽を包んだ暗紫色の芽鱗が見えた。

 奥の広場をすぐに出て、昨年長い間名前が分からず、観察し続けたミツバツツジのところへ来た。再び緑色の冬芽を見たが、懐かしい思いがした。未だ冬芽は小さい。長さが1.2㎝、幅が3㎜ほどだった。

 カッパ池を見ると、ヨシやガマが茂り、生命活動が営まれている時は生き生きした光景に映ったが、枯れ始めると、随分荒れ果てた光景に変わってきた。池の縁にあったミゾソバは殆どが萎れてしまっている。こういう光景を見ると、生命の呆気なさが感じられる。

 カッパ池を通して奥の広場の方を見ると、微かに紅葉した樹が見える。あれはヤマボウシである。前田の丘のヤマボウシは葉が落ちていたが、ここでは紅葉の最中である。それほど離れた所でないが、場所によって紅葉の進みに違いがあることが分かる。

 ソシンロウバイの樹を見た。ロウバイというように、この黄色い花は蝋を薄く塗ったような艶があった。花数が多いので、それは見事な輝かしい光景を作り出した。ソシンロウバイは落葉樹だが、未だ生き生きした緑色の葉をたくさんつけている。この葉も間もなく枯れる運命にある。球状の冬芽が対生する葉の葉腋に対になって付いている。

  

撮影:10月27日
  記  平成29年10月28日(土)
11月3日(金)
サワグルミの冬芽 ニシキギの翼 シダレウメの冬芽 ブンゴウメの冬芽 コウバイの冬芽

フジバカマ フジバカマの下の茎:毛が無い フジバカマの真ん中辺の茎:毛が無い

11月3日(金)

 カッパ池と道を挟んだ向かい側は瓜久保休憩所へ続く湿地帯となっており、そこはハンノキの林になっている。そのハンノキに混ざってサワグルミの樹が1本ある。下の幹を見ていたのでは、この2つの違いが分からないが、上空の葉を見ると違いが分かってくる。サワグルミの葉は奇数羽状複葉だが、ハンノキは単葉である。上空の枝の先にサワグルミの冬芽があるので、望遠写真で捉えてみた。写真を見ると、外側の皮が剥がれようとしているのが分かる。下記の資料によると、サワグルミの冬芽は、最初1枚の芽鱗に包まれていて、冬が訪れる前に脱落して裸芽になるという。

 資料: http://midori.eco.coocan.jp/kimama/huyume/ka-kurumi.html

 緩やかな坂を下り、瓜久保休憩所を目指して進んで行くと、右側の水路沿いにニシキギの樹がある。先日、東京の自然教育園でニシキギの樹を見たが、その時のニシキギの枝の翼は、非常に狭かった。それに比べると、このニシキギの翼は枝の太さより幅が広い。冬芽は2~3㎜ぐらいで非常に小さかった。

 資料: https://blogs.yahoo.co.jp/yokohamaiwao/15610731.html

 瓜久保休憩所へ近づくと野鳥観察をしている人が何人もいて、カメラを一列に設置していた。どんな野鳥がいるのだろうかと知りたい思いもあったが、カメラを向けている先には野鳥の見える気配がなかった。それよりも休憩所にいる人の話声がうるさ過ぎて、野鳥もどこかへ行ってしまったようだ。近くの女の学生らしい集団だったようだが、野鳥観察の人は呆れかえって、諦めていたようだ。ここの休憩所にはいくつかの種類のウメの樹がある。冬芽を見ると、どれもみんな1~2㎜と非常に小さかった。

 瓜久保休憩所を出た所に、今日調べようとしているフジバカマが見えた。調べることはフジバカマとヒヨドリバナの違いである。先日、自然教育園で花、葉ともにヒヨドリバナとそっくりなフジバカマを見てきた。それからは、この2つの区別に戸惑うようになった(資料)。その時調べたところ、「下の茎を見ると、フジバカマには毛が無いが、ヒヨドリバナにはある」ということが分かってきた。今日はこの点を知りたかった。実際に調べると、花のすぐ下辺りには毛があるが、下の茎には毛が無いことが分かった。このことをヒヨドリバナで確認すれば、1つの問題が解決できたことになる。

 資料: https://blogs.yahoo.co.jp/yokohamaiwao/15619355.html

  
撮影:10月27日
  記  平成29年10月30日(月)
11月4日(土)
ノコンギク ノコンギク:舌状花 ノコンギク:筒状花 ニシキギの紅葉 タイアザミ

サルトリイバラの果実 アキノノゲシ アキノノゲシの花

11月4日(土)

 フジバカマの脇にノコンギクが見つかった。このノコンギクを見つけるのも、今日の1つの目的であった。例年なら、既に彼方此方で見かけた思いがしていたが、今年はまだ沢山咲いている光景を目にしていない。最近、舞岡公園でも藪などの下草が早めに刈られたので、例年のノコンギクの光景が見られるか危惧していた。今、やっとこの一角にノコンギクの咲いた光景を目にすることが出来た。今までユウガギクを見てきたが、ノコンギクの花はユウガギクより一回り小さいようだ。ノコンギクの花の直径を計測すると、2.5㎝であった。10月5日に見たユウガギクの直径は3.5㎝であった。ノコンギクと確認するために冠毛を調べると、確かに長い冠毛があった。

 道の向かい側を見ると、赤く染まったニシキギの紅葉がみられたので撮影した。前田の丘では紅葉した葉が散って仕舞っていたが、ここではまだたくさん残っており、十分観賞できる。それにしても、ニシキギの紅葉は他の落葉樹より早いようだ。

 紫色のアザミの花が残っていた。この夏から秋にかけ、ノハラアザミとタイアザミの違いについて、機会があるごとに調べて来た。ノハラアザミの確認のために自然教育園へも足を延ばした。その結果、漸くノハラアザミとタイアザミの違いが分かり始めて来た。このアザミを見ると、総苞片がはっきり反りかえているのが確認できる。タイアザミになる。

 赤い果実が見えた。先日、この果実に似たサネカズラの果実を自然教育園で見てきたので、若しかしたらと、サネカズラの名前が浮かんできた。然し、葉を見て直ぐ違うと分った。これはサルトリイバラになる。サネカズラにもつる性のところがあるが、サルトリイバラは一目でつる性と分る。この葉は円形に近く、平行脈が特徴的である。

 今日はいつもと逆のコースなので、狐久保へ行き、オニグルミの様子を見たいと思っていた。狐久保へ向かう道に入ると、右側の土手にアキノノゲシが見えた。同じノゲシでも、アキノノゲシの花は薄い黄色をしている。また、背丈がかなり高くなる。このアキノノゲシの葉は切れ込みが無く、細長い。従って、ホソバアキノノゲシになるようだ。

撮影:10月27日
  記  平成29年10月31日(火)
11月5日(日)
オニグルミ:調芽と側芽 オニグルミ:調芽と側芽 カゼクサとチカラシバ チカラシバの葉の裏側 カゼクサの葉の裏側

カゼクサの葉の付け根:長い毛がある チカラシバの葉の付け根:毛が無い

11月5日(日)

 狐久保のオニグルの林には誰もいず、暖かく、静かであった。のんびりと梢を見ながらオニグルミの冬芽を探した。冬芽は高いところにあるので、この冬芽については分からないところが多い。下記の資料を見ると、オニグルミの冬芽について理解を深める内容が書かれていた。要点を列記すると、下記の様になる。

 資料:https://www.hro.or.jp/list/forest/research/fri/kanko/kiho/pdf/kiho28-5.pdf より ・冬芽はらせん状につく

・裸出し(1対の未開の葉でつつまれる)

・この未開の葉は鱗片の役割を果たしている

・頂芽は極めて大きく,円錐状卵形ないしピラミット形

・側芽は小さく、上位のものでは主芽(側上芽)と予備芽とがいっしょにつく

 この説明を読みながら冬芽を見て行くと、側芽はらせん状に付いていることが分かる。しかし、1カ所の側芽を見ると、同じものが対になっているようだ。どちらが主芽で、予備芽かは判断が出来ない。若しかしたら、写真では分からないが、2つの冬芽にそれぞれ予備芽があるのかも知れない。

 1番知りたいのは頂芽の先端を覆っているものが何になるかである。鱗芽の冬芽だと冬芽が芽鱗に包まれている。オニグルミの頂芽には芽鱗に相当するものがあるが、この点について説明している資料は見つからない。上記の資料では、サワグルミには芽鱗が示されているが、オニグルミに付いては触れられていない。

 リョウブの冬芽などは鱗芽とされているが、早いうちに芽鱗が取れて、冬を裸芽で過ごす。サワグルミ、オニグルミ、リョウブは同じタイプに見えるが、オニグルミだけが裸芽とは不思議に思える。

 オニグルミを見ていると、何人かのグループがやってきて、縄跳びを始めた。今日は小学生が沢山見えているので、その1グループと思えたが、後で見ると、先程、瓜久保休憩場で見かけた学生の1グループのようだった。

 広場の奥へ進むと、そこは草原になっている。生い繁っていた草も勢いが無くなってきた。今、目立つのは、カゼクサとチカラシバである。穂が出ていると、2つの違いが分かるが、葉だけだと区別するのは難しい。

 そこで、2つの葉を比べて見た。

 そこで、2つの葉を比べて見た。

カゼクサ チカラシバ 長さ cm 40 38 幅  mm 6 7.5 茎の付け根 長毛がある 毛が無い  チカラシバの葉の裏側を見た時、中肋が凸になっていたので、カゼクサがどうなっているかとみると、やはり凸になっていた。葉の表裏はよく似ており、ほとんど区別がつかない。カゼクサの方が幾分細長い感じがするが、区別は難しい。

 葉の付け根を見ると、カゼクサに長い毛がみえるが、チカラシバにはその毛が無い。ここが大きく違うようだ。

  

撮影:10月27日
  記  平成29年11月1日(水)
11月6日(月)
ツマグロヒョウモンの雌 アイノコセンダングサ アイノコセンダングサ:白色の筒状花 ヤブガラシの果実 ウシハコベ

ヤクシソウ、オミナエシ、シラヤマギク、リュウノウギクが見える ナギナタコウジュ ナギナタコウジュ

11月6日(月)

   狐久保広場でカゼクサやチカラシバを見ていると、1頭のチョウが舞ってきた。黄色っぽい翅をしている。止まるのを待って撮影した。黄色い翅に黒色の斑紋があり、翅の両端は白色になっている。1度何処かで見た覚えがしたので、過去の資料を探してみた。すると、今年の6月27日に、ここの舞岡公園の畦道で見ている。(資料1)。その写真を見ると多少違っているところがあったので、調べ直してみた。ツマグロヒョウモンで検索し、資料2を見ると、この写真のチョウはツマグロヒョウモンの雌であることが分かった。

 資料1: https://blogs.yahoo.co.jp/yokohamaiwao/15464926.html

 資料2: http://www.insects.jp/kon-tyotumaguro.htm

 園道を歩き始めると、センダングサの黄色い花が目立つようになってきた。この花はコセンダングサと思うが、確認した。白っぽく見えるところがあるので、この花が舌状花かどうか調べると、この花は舌状花でなく、筒状花であった。この結果この花はアイノコセンダングサになるようだ。

 黒い球の果実が1個見えたが、直ぐには名前が分からなかった。よく見ると、直ぐ近くにヤブガラシに似た葉が見えた。小さい葉だが、ヤブガラシの葉に間違いないようだ。ヤブガラシの花は見慣れているが、果実をよく見たことが無い。花は枝の先に分散するように沢山付くので、果実も沢山付いている姿を想定していた。しかし、今見ているのは、果実が1個しかついていない。そこで、調べて行くと、ヤブガラシの果実は、このような球体をしていることが分かってきた。今、殆どの果実は落ちたか、食べられてしまったようだ。

 下の方にハコベが見えた。ハコベは1年中咲いているようだ。このハコベの葉は大きい。若しかしたら、ウシハコベかもしれない。茎の節の部分が暗紫色、花柱が5個である点はウシハコベの特徴を表している。

 資料: https://matsue-hana.com/yasou/kubetu/hakobe.html

 下草が刈られず、いろいろな花が残されているところへ来た。ざっと見ると、ヤクシソウ、オミナエシ、シラヤマギク、リュウノウギク、それに青紫色の花などを見ることが出来る。ここで最初に目に付いたのは、青紫色の花だった。1度見た覚えがあるので、過去の記録を調べ直したら、この花は昨年の10月28日に古民家の中で見たナギナタコウジュであった。その時の記録には「唇形花で、上唇を見ると縁が細かく裂け、毛のよう見える。下唇は裂けていないようだ。黒っぽい塊をつけたものがおしべのようだ。長いのが2本、短いのが2本あるように見える」と書いていた。読み直しながら改めて確認した。語源は、牧野新日本植物図鑑によると、「太くやや反った花穂の形がなぎなたに似ているのでいう」とある。成程そのように見える。

 資料: https://blogs.yahoo.co.jp/yokohamaiwao/14336404.html

撮影:10月5日 記  平成29年11月1日(水)

撮影:9月14日
  記  平成29年9月25日(月)
11月7日(火)
ヤクシソウ ヤクシソウの花 オミナエシ シラヤマギク リュウノウギク

オギ? オギ オギの小花 ノコンギク ノコンギク

コムラサキの果実 マユミの果実:開き始めた

11月7日(火)

 黄色いヤクシソウが見える。この葉はヘラ型で、基部は柄がなく、同じ広さのまま伸び、茎を抱いている。この独特な形が強く印象に残っている。花はオニタビラコに似て小さい。

 もう彼方此方のオミナエシは散っているが、ここでは、まだ、オミナエシが咲いていた。前回の時もこのでは咲いており、「ここでは長く咲いているなぁ」と思っていた。ここはどちらかと言えば日陰の時が多いので、花が長持ちしているのかも知れない。シラヤマギクも同じように長い間咲いている。

   秋が深まり、野山に花の数が少なくなったころ、このノギクを目にするようになる。ユガギクやノコンギクノ葉と違い、このノギクの葉は公園やプランターなどに植えられているキクの葉によく似ている。そのため、誰かが植えたのではと思ってしまう。リュウノウギクと思うが、一般のキクとの違いはよく分からない。もう少し特徴を調べておくべきだった。

 水田の放置地にススキかオギの穂がはためいている。立地条件からすると、オギと思うが、確かなことは言えない。望遠写真を撮ってみたが、よく分からなかった。近くへ行けないのが残念だ。直ぐ近くにオギがあるので、そこで写真を撮ることにした。

 水車小屋から水田の畦道に下り、水路沿いに進むと、所々にノコンギクが現れて来た。昨年などは、あっちにもこっちにもと沢山目にすることが出来たが、今年は激減している。これは下草が早く刈られてしまったことが原因になっていると思われる。何時もの光景が見られないのは残念だが、何も見られないよりいい。

 赤紫色に映えたコムラサキの果実が見える。前回よりは大分数が少なくなっているが、まだ、コムラサキの果実と、はっきり分かる。葉は既にほとんど枯れ、落ちるだけになっている。

 マユミがピンクの果実を沢山付けている。そろそろ開くのではないかと思って、探していると、数個開き始め、中の赤い種子が見え出し始めていた。今度来るときは、殆どの果実が開いてしまっていることと思う。   

撮影:10月27日
  記 平成29年11月2日(木)
11月8日(水)
タイワンホトトギス ツワブキ コメナモミの花 茎の伏毛 葉の表面:短い伏毛がまばらにある

葉の裏面:短い伏毛がまばらにある ヒヨドリバナの上の方の茎:毛がある ヒヨドリバナの下の方の茎:毛がある ミツマタ クサギの果実

タイワンホトトギス

11月8日(水)

 古民家の庭へ入った。今日は多くの人が働いている。皆さんボランティアらしい。事務所近くの植込みを見ると、ホトトギスが咲いていた。よく見かけるホトトギスは葉腋から1つの花が出ている。このホトトギスを見ると、枝先が幾つかに分かれ、それぞれの先に1つずつ花が付いている。このような花の付き方をしているホトトギスはタイワンホトトギスになる。

 直ぐ近くにツワブキが咲いていた。ツワブキは花の少ない寒い時に大きな花を付けるので、1度見ると、強く印象付けられる。海岸近くでよく見かけたので、生息地を調べると、牧野新日本植物図鑑では、「海岸近くに多い常緑の多年草」と書かれていた。やはりそうかと頷いた。フキに似て光沢(ツヤ)のある葉をつけることからツヤ蕗が訛ったとの説がある(資料)。フキはキク科フキ属で、ツワブキはキク科ツワブキ属なので、関係はなさそうだ。

 資料: http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/69/04-01.pdf

 裏庭の植込みにあるコメナモミを確認した。先日、自然教育園で、このコメナモミと同じものを見てきた。然し、名札がなかったので、確かかどうか知ることが出来なかった。その時、牧野新日本植物図鑑で調べ、「メナモミの茎は葉とともに毛が多い」、「コメナモミの茎および葉にはメナモミのように長い粗立毛はなく、ただ短い伏毛がまばらにあって・・・」と説明されていたことを学んだ。今日はこの点を確認することが1つの目的になっていた。調べた結果、このことが確認できた。この花はコメナモミになるようだ。

 ヒヨドリバナが出て来た。ヒヨドリバナとフジバカマはよく似ている。この2つを区別する方法として、下の茎の毛の有無が有効であることを先日学んだ。今日は、先程、フジバカマの茎の下の方には毛が無いことを調べて来た。ここで、ヒヨドリバナの茎の下の方に毛があれば、2を区別する方法として、下の茎の毛の有無が有効であるとことが実証されたことになる。早速調べた。ヒヨドリバナの下の茎には、確かに毛があり、実証された。

 大きな目的が達成できて、心がわくわくした。余韻が続く中、ミツマタを見た。最初の蕾が大きく開き、中の小花の蕾がはっきり見えてきた。蕾の先には沢山の毛が確認できる。ミツマタは冬の寒い時に開花する。  直ぐ隣のクサギの果実が揃い綺麗に映える光景になって来た。星形の赤い萼と濃紺の果実がよく似合っている。

 クサギの前にもホトトギスがある。よく見ると、咲きい程見たタイワンホトトギスのようだ。ここにホトトギスがあることは前から知っていた。10月5日にも見ていたが、タイワンホトトギスの意識はなかった。

撮影:10月27日
  記  平成29年11月3日(金)
11月9日(木)
畦道 ツリガネニンジン ノコンギク ユウガギク ユウガギクの花

フジバカマ ヒメジョオン

11月9日(木)

 水田もイネが刈られ、畔の下草も刈られ、次第に寂しさが増してきた。この水路沿いにはハンノキが何本もあるが、昨年に続き、冬芽や花、果実を見ることが出来なかった。2年前のことが嘘の様に思える。ガマズミも昨年から活発でなくなってきた。何かが起こっているのだろうか。

 ツリガネニンジンが僅かに残っていた。ツリガネニンジンに付いて調べていた時、サンヨウシャジンの名前が出て来た。写真を見ると、ほとんど区別がつかない。「どこが違うのだろうか」と迷ったが、説明を読むと、「サイヨウシャジン本州の中国地方以西、九州、琉球、中国に分布する多年草」と書かれていたので、この辺にはないことが分かり安心した。参考に更に読み続けると、「ツリガネニンジンとは、花冠の先端がすぼまることと、雌しべが花冠の長さに近いほど明瞭に突出する」ことで区別できると書かれていた。中国地方の方へ行く機会があったら、このことを参考に調べて見たい。

 資料:

http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/sympetalae/campanulaceae/saiyousyajin/saiyousyajin.htm2065


 水路沿いに歩いてくると、ノコンギクがよく見られるようになった。ノコンギクは藪の縁などに生育すると思っていたが、このような水気の多いところでも生育しているようだ。下記の資料を見ると、カントウヨメナが記載されていた。更に、「ノコンギクに似るが、川辺や田の畦など湿り気のある場所に生えるキク科の多年草」と説明されている。この説明を読むと、今ノコンギクとしている花は、カントウヨメナの疑いが出て来た。詳細を調べ直さなければいけなくなった。

 資料: http://tama.tokyo-park.or.jp/understand/creature/plant/autum.html

 これはユウガギクとしてきた花である。上のノコンギクについて考えたら、「この花が確かにユウガギクだろうか」と不安が出て来た。今年、この花は7月28日に初めて見ている。また、小花に冠毛は殆ど見えなかった。この事実から判断すると、ノコンギクでないことは分かる。問題は、カントウヨメナとの違いである。カントウヨメナについては予備知識がないので、調べて見た。

カントウヨメナについて (下記の資料より)

1.本州の関東地方以北に分布します。

2.初秋から秋の初めまで、茎頂に径3㎝前後の白から淡紫色の典型的なキク型の花をつけます。

3.ヨメナの冠毛は0.5mmに対して、カントウヨメナではその半分ほどである。

4.切れ込みが小さい。

5.葉が狭くてざらつきがなくしっとりとしていている

1.については外れる。2.については咲く時期は説明よりも早く咲いている。3.は該当しそうだ。4.については資料の写真では上と下では違っているので、他の資料の写真を参考にしてみた。すると、カントウヨメナの葉の鋸歯は上の写真になっている。従っ、この4は該当しない。5.についてはざらつきについては正確な記憶はないが、葉の幅は広いと思うので、該当しない。以上から考えると、この花はユウガギクと言えそうだ。

 資料: http://www.geocities.jp/tama9midorijii/ptop/kagap/kantouyomena.html

 ユウガギクの向かい合いにフジバカマが咲いていた。先程ヒヨドリバナとの相違点を確認した。下の茎にはやはり毛が無かった。

 再び、畦道に戻り進んで行った。時刻も遅く成り暗くなり始めてきた。ネムノキの第1休憩所を過ぎた所にヒメジョオンが咲いていた。まだ時々ヒメジョオンを見かけるが、このヒメジョオンには勢いを感じる。恐らく遅く芽生えてきたものが咲き出したものと思える。   

撮影:10月27日
  記  平成29年11月3日(金)
11月10日(金)
水路沿いに並んでいるアザミ ノハラアザミ ノハラアザミの総苞片 ノハラアザミの総苞片 ガマズミ

ガマズミ この道沿いにヤブタバコがある ヤブタバコ ヤブタバコの小花 色が付き始めたカエデ

ナツツバキの紅葉 アカシデ・・・上の葉が無くなている

11月10日(金)

 ネムノキ休憩所を出た所の水路沿いにアザミが残っている。ここのアザミは他のところのタイアザミと違うと思っている。先日、ここのアザミを解決するため自然教育園でノハラアザミを確認してきた。

 このアザミの総苞片を初めて見た時、長いが、反っていないもの、短いものと色々あった。また、別の日に根生葉をのようなものを見た時、中肋が赤褐色をしていたのを見ていた。

 改めて、ここアザミの総苞片を見ると、短く、外側へは大きく反っていない。ここへ来るまでに見てきたアザミの総苞片は長く激しく外側へ反っていた。やはり、ここのアザミはタイアザミだはなく、ノハラアザミと言えそうだ。水路沿いに並ぶ一連のアザミを確認すると、いずれもノハラアザミに見える。

 畔で観察するのも最後になった。観察するのは、ばらのまるの丘を下ったところにあるガマズミである。舞岡公園へ来たときは必ずこのガマズミを見ている。しかし、今年の舞岡公園のガマズミは花が少なかったので、果実も少なく、余り芳しくなかった。真っ赤に染まったガマズミは、人が見ても食べたくなるような色をしている。恐らく、野鳥たちには美味しく見えるのだろう。

 畦道から坂を上り、ばらの丸の丘へやって来た。ここの道沿いにはヤブタバコがある。未だ花があるだろうかと思いながら進んだ。今年は、ヤブタバコ、コヤブタバコ、ガンクビソウの違いを学んだ。この3つの花は大きく開かないので、小花の詳細は知ることが出来ない。進んで行くと、ヤブタバコは、先日見たままの状態であった。小花は相変わらず、分らない。この花は、枝が四方八方へ伸びている形が面白い。

 もみじ休憩所へ着いた。カエデなどに色が付き始めている。ナツツバキを見ると、此方の方がカエデより早く紅葉が進んでいるようだ。カエデが紅葉すると、ここの広場は見違えたような景色を呈するようになる。その時も、もうそこまで来ているようだ。

 最後に見るのはアカシデである。アカシデの樹を見ると、下の方の葉は殆どが無くなっている。ケヤキなどは上から紅葉が始まるが、この樹の紅葉は下から始まるのだろうか。

  記  平成29年11月3日(金)

撮影:10月27日
  記  平成29年11月3日(金)
11月25日(土)
カラスウリ ハゼノキ ハゼノキの葉 キブシ キブシの葉

キブシの葉 シロダモ シロダモの葉と冬芽 シロダモの花 ガマズミの果実

11月25日(土)

 天候不順も手伝い、舞岡公園へ行ってから1か月以上過ぎてしまった。大分間が開いたので、この間の様子がつかめるだろうか、心配になり、今日何とか出かけた。今日は坂下口から入るので、何時もとは逆コースである。

 公園へ入った時、直ぐ目に入ったのはカラスウリの果実だった。このところこの果実を色々な所で見かけている。赤色からオレンジ色の大きな果実なので、目に付きやすい。

 この樹の名前は何だろうか。葉が奇数羽状複葉をしているので、ハゼノキと思えるが、自信がない。ハゼノキとヤマハゼはよく似ている。下記の資料では、葉軸の毛の有無、葉脈の本数、小葉の先端の形などを比較し、2つの違いについて詳しく説明している。実際に試みようとしたが、葉軸の毛の有無、葉脈の本数についてははっきりしなかった。小葉の先端を見ると、細長く伸びて尖っていることが分かる。従って、この樹はハゼノキになるようだ。

 資料:http://elm3.web.fc2.com/top/ruijisyu-miwakekata-hoka/hazenoki-yamahaze-urusi-yamaurusi.html

 この葉もどこかで見た覚えがあるが、名前が出て来ない。葉は楕円形で、柄が長く、内側に反り、縁には鋸歯があり、波を打っている。幹を見ると、灰黒色で、縦方向に溝模様が見られる。キブシと思うが、更に検討が必要と思える。

 これはヤブニッケイかシロダモか、この2つを見分けるのも難しい。葉のつき方、葉の裏の色などが手掛かりになるというが、簡単にはいかない。3脈が目立つこの葉を見かけると、殆どはシロダモで、ヤブニッケイを見かけることは滅多にない。葉のつき方では判定が難しいので、葉の裏を見ると、灰白色をしている。また、咲いているのか枯れているのか紛らわしいが、花がある。花期から考えると、この樹はシロダモになるようだ。

 資料: https://matsue-hana.com/jumoku/kubetu/kusunoki.html

 ガマズミがある。このガマズミは前回も見ている。前回は太陽の光が当たり輝いていた。まだ果実の萎んだものは少なく、美しさは残っている。   

撮影:11月15日
  記  平成29年11月16日(木)
11月26日(日)
前田の丘 アカメガシワの冬芽 ムクノキの冬芽 クリの冬芽 サクラの冬芽

ヤマボウシの冬芽 アワブキの冬芽 コブシ コブシの冬芽

11月26日(日)

 坂を上り始めると、左側のオミナエシ、右側のキンミズヒキなどはもう見当たらない。ひと月が経過すると、随分早く季節が通り過ぎた感じがする。前田の丘へ上って来た。

 下草が刈られ、初冬のような景色に見える。ここではアカメガシワやアワブキの冬芽を中心に見ることにしている。下草が刈られているので、たやすくアカメガシワの樹のところへ来られた。太陽の日が射しているので、暖かい。少し厚着をしてきたので、1枚脱ぐことにした。枝の先端に冬芽がある。この冬芽は裸芽なので、冬に人がセイターを着るように、この冬芽は星状毛を被っている。見るからに暖かそうである。

 アカメガシワの樹の奥にムクノキがある。前回来たときに、この樹の存在に気付いた。幹はアカメガシワと遜色がない。枝に伏した冬芽を見るとアカメガシワと違うことが分かる。葉腋に出た冬芽を見ると2つあり、1つが大きい。このような形態をしているものとしてハクウンボクがある。この小さい冬芽は副芽になるのだろうか。ムクノキの副芽について調べると、資料が少なく、下記の資料の中に予備芽として記載されていた。

 資料: https://blogs.yahoo.co.jp/qucn9753/49076346.html?__ysp=44Og44Kv44OO44Kt44Gu5Ymv6Iq9  ここのクリの樹に気が付いたのは今年の2月8日であった。その時、黒っぽく、丸かった冬芽の姿が思い浮かぶ。その後、雄花、雌花を見て、再び、10月に冬芽を見ることになった。10月の時の冬芽は、先が薄い緑色であった。それから1か月ほど経つと、幾分大きくなり、日を受け黒っぽくなって来たことが分かる。全体が黒っぽいのかと裏返してみると、裏は黒っぽくなかった。

 前田の丘は中央で2段に分かれており、奥は手前より一段高くなっている。その境にサクラの樹が植えられている。このサクラの花は普通のサクラより一回り大きく、八重である。ところがこのサクラの名前がまだ分からない。冬芽を見ると、芽鱗に毛が無く、オオシマザクラ系であることが分かる。

 ヤマボウシの冬芽を見た。この花はハナミズキに似ているが、此方の冬芽は細く、先が尖っている。扁平な形のハナミズキの冬芽とは大分違っている。計測すると、高さ1㎝、幅4㎜と幾分大きくなり、ヤマボウシの冬芽らしくなってきた。

 この奥にアワブキの樹がある。この樹の存在は昨年知り、それ以後、舞岡公園へ来たときは見るようにしている。今年は冬芽から蕾、花、果実と見て来た。白色の小さな花を沢山つけた姿を見た時は、太陽の光に照らされて眩しかった。「花弁は5個、外側の3個は大きく広卵形、内側の2個は小さく線形」と変わった花が強く印象に残っている。

 資料: https://blogs.yahoo.co.jp/yokohamaiwao/15435276.html

 一番奥にあるコブシを見ると、冬芽が大分大きくなっていた。大き目なのを計測すると、長さ2.7㎝、幅1.2㎝であった。「随分大きくなっているなぁ」と感じた。冬芽の芽鱗は長い毛で覆われ、中身を大切に守っていることが分かる。

撮影:11月15日
  記  平成29年11月17日(金)
11月27日(月)
クヌギとミズキの樹 シラカシ 大きな樹:イヌシデ 上空の葉:イヌシデ 下に見えた葉:イヌシデ

浅い溝のある幹:ミズキ 上空の葉:ミズキ 谷を埋めるクズの脅威 ヒヨドリバナ ヒヨドリバナの果実

11月27日(月)

 クヌギ休憩所から明治学院へ通じる道がある。今までこの道の存在を知っていたが、どこへ出るか分からなかったので、入ることをしていなかった。今日は何となく、進んでみたくなった。進み始めると、両側に大きな樹木があり、道は太陽の光が差さず、暗かった。ここは余り人が通らない気配がする。クヌギ休憩所からの延長ということもあり、高いクヌギの樹の存在が分かる。クヌギの樹に混ざって白色の幹があった。ミズキのようだがはっきりしないので、上の葉を見た。葉を見ると、幅広の楕円形の葉で全縁であった。やはりミズキの樹である。前田の丘から瓜久保の谷を越えると、ミズキ休憩所がある。この道はその近くを通るので、この辺にミズキの樹があってもおかしくない。

 右側に柵があり、中は明治学院らしい。ここへ来ると、周りの樹木がシラカシへと変わって来た。今まで舞岡公園の園道を歩いていた時は、このシラカシの樹を目にすることは殆どなかったので、ここに沢山出現したことに驚いた。そういえば、シラカシと同様にスダジイの樹も殆ど目にしていない。市内にシラカシやスダジイが見られるのは当然と思っていたが、舞岡公園ではこの2種類を殆ど見ていない。植生が違うのだろうか。

 根元から4本ぐらいに枝分かれをした大きな樹があった。これは何の樹だろうか。今まで、シラカシの樹が続いていたが、幹を見るとシラカシとは違っている。灰白色で、縦方向に太い線模様が見られる。ミズキやイヌシデ、アカシデはこのような幹をしている。やはり葉を手掛かりにしないと名前が分からない。上空の葉の写真を撮ると、イヌシデのようだ。もう1度幹を確認すると、下の方に葉があった。やはりイヌシデの葉のようだった。

 灰色っぽい太い幹が見えた。縦方向に浅い溝の模様が見られる。クヌギのような気もするが、溝が浅すぎる。幹だけ見ていたのでは解決にならないので、葉がある上空を見た。葉を見ると、幅広の楕円形をしたミズキの葉である。ミズキの樹はつい先程見て来た。先程の幹は細かったので、浅い溝は見られなかった。幹の模様を解決するため資料を探した。すると、下記の資料に、「樹皮は汚灰色で、縦に浅く裂け目ができる」と説明されていることが分かった。若い幹には裂け目が無いが、次第に裂け目が出来てくるようである。

 資料: http://www.geocities.jp/greensv88/jumoku-zz-mizuki.htm

 薄暗い長い林道を抜けると、明るくなった太陽の日が射しており、眩しいくらいである。左側の窪地を見ると、クズの脅威を感じる。この下は、狐久保あたりになるのだろうか。樹木はすっかりクズに覆われてしまっている。

 ここは尾根になるのだろうか、日が射し、明るい。前方にヒヨドリバナが見えた。もう花がほとんど枯れ出している。よく見ると、タンポポのような果実が見えた。ピンセットで摘まんで見ようとすると、ふわふわと風に飛ばされていった。飛んで行く姿はタンポポンの果実そっくりである。「これがヒヨドリバナの果実かぁ」と思った。

撮影:11月15日   記  平成29年11月19日(日)

撮影:9月14日
  記  平成29年9月25日(月)
11月28日(火)
アイノコセンダングサ アイノコセンダングサの果実 アイノコセンダングサの果実 カゼクサ カゼクサの小穂

中丸休憩所 カラスザンショウ 松原越し休憩所 イヌシデ イヌシデの葉

11月28日(火)

 尾根筋を歩いていると、コセンダングサと思われる花が見えた。この花については未だ正確に理解していない。花を見ると、白色の花がある。この白色の花は筒状花である。先日も同じような花を見ている(資料1)。この花が間違いなく、コセンダングサか調べ直すと、下記の資料2でアイノコセンダングサの名前が出て来た。先日調べていたときは、このアイノコセンダングサが眼中になかった。説明を見ると、「アイノコセンダングサは筒状花のみから出来ており、筒状花の一部が白くなる」と説明されている。正しくこの花を説明している。従って、この花とともに、資料1の時のコセンダングサはアイノコセンダングサになる。

 資料1: https://blogs.yahoo.co.jp/yokohamaiwao/15653282.html

 資料2: https://matsue-hana.com/yasou/kubetu/sendangusa.html

 カゼクサかノガリヤスと思える草が見えた。どちらもすでに花期を終えているはずだと思うが、確かめた。小穂を見ると、数個の小花からできており、小花は褐色を帯びている。これはカゼクサになる。「この時期によく残っていたなぁ」と思った。

 尾根道は中丸休憩所へ通じていた。以前、中丸休憩所へ行った時、明治学院方面と書かれた標識があったので、今この道を歩いてきたことが分かった。クヌギ休憩所を出て、中丸休憩所へ通じる道の様子が大体分かった。今は草花があまり見られないが、春夏にはいいコースになるような気がしてきた。中丸休憩所へ着くと、園児の一団が休んでいた。「園児たちはここまでよく上がって来たなぁ」と感心した。ここには大きなオオシマザクラやヤマザクラがある。どちらもすべての葉を落とし、冬支度に入っている。オオシマザクラ側にあるベンチに腰掛けて休んでいると、ミズキ休憩所の方から園児が数人やって来た。保育士さんは誰もついていない。再び、「自分たちだけで、よく上がって来たなぁ」と驚いた。待ち構えていた保育士さんはカメラを構えて、上がって来る園児たちを撮影していた。まだ来るのか、と思って見ていると、次から次へと園児たちが来た。しかし保育士さんは付いてこない。大丈夫なのかと思っていると、一行の最後らし園児が数人の保育士さんとやって来た。恐らく保育士さんたちは途中で園児たちを見守っていたと思われる。中丸休憩所は園児たちの声で賑やかになった。

 ここから松原越し休憩所へ下って行った。大きなカラスザンショウの樹がある。この樹はカラスザンショウと考えているが、まだ分からないことがある。この仲間に、イヌザンショウやサンショウがあるが、この3つの違いがまだよく分からない。下記の資料によると、「幹の周囲にトゲが多いことで、棘が対生するサンショウや棘が互生するイヌザンショウとは容易に区別できます。」と説明されているが、資料が少ないこともあるが、中々上手く区別が出来ない。

 資料: http://www.geocities.jp/tama9midorijii/ptop/kagap/karasuzansyou.html

 松原越し休憩所へ来た。ここは園道から外れたところにあるので、偶にやって来る。ここには、コナラ、ムクノキ、エゴノキ、イヌシデの樹などがある。イヌシデは大きな樹が数本あるので、イヌシデを観察したいときはここへやってくる。

撮影:11月15日
  記  平成29年11月19日(日)
11月29日(水)
フジバカマ:まだしっかりした花がある ノコンギク:ほぼ萎れている ヤブニッケイ ヤブニッケイの葉の裏:灰白色でない ハゼノキ?or ヤマハゼ?

シロバナセンダングサ シロバナセンダングサの果実 チカラシバ ヤツデの花

11月29日(水)

 先日、瓜久保休憩所を出たところで、フジバカマを見ているので、その後の様子を見た。大分衰えているが、まだしっかりした花も見られる。向かい側にあるノコンギクを見ると、もう花期は終わりのようで、殆どが萎れ、完全な花は見られなかった。秋が終わり冬になったことが感じられる。

 小川アメニティの川沿いにヤブニッケイやヤマハゼと思われる樹があるので、先程見てきたシロダモやハゼノキと確認するために、ここから足を延ばした。まず、ヤブニッケイを見た。日が射していることもあり、葉の表面は艶のある緑色をしている。裏は薄い緑色で、シロダモの灰白色とは明らかに違っている。花は見られない。

 次にヤマハゼを見た。この樹も正確にヤマハゼとは分かっていない。葉は紅葉し、粒のような果実が塊のように吊下っているのが目立つ。別の場所で見たハゼノキにはこのように沢山の果実が付いていない。果実の多少では区別が付かないと思うので判断が難しい。下記の資料では、ハゼノキとヤマハゼの違いを上手く説明している。小葉の先端の形では上手く区別できないので、葉軸の毛の有無を見たいと思っている。しかし、現在持っている資料ではここの判定が出来ない。

 資料:http://elm3.web.fc2.com/top/ruijisyu-miwakekata-hoka/hazenoki-yamahaze-urusi-yamaurusi.html

ヤブニッケイとヤマハゼを見た後、元の道へ戻ろうとすると、川沿いにシロバナセンダングサが見えた。白色に見えるものは舌状花であるか、確認すると、5枚ほど分かった。1つの果実を見ると、長さ9㎜、幅1~2㎜であり、冠毛は2本のもの3本のものがあった。シロバナセンダングサには、シロノセンダングサ、コシロノセンダングサなどの別名がある。

 目を畑の縁へ移すと、ここにもシロバナセンダングサを見ることが出来た。また、シロバナセンダングサの横にチカラシバが残っていた。大分穂が枯れ始めて来ているが、まだチカラシバと確認が出来る。

 ここへ来るとき、小川の向こうの山に白色の花のようなものが見えていたので、何の樹だか確認しに近づいた。白く見えたのはヤツデの花だった。ヤツデの花については、資料1で1度調べたことがあるので、読み返してみた。資料2では、「上部の花序には両性花、下部の花序には雄花がつく」と説明があり、資料3では、「下部の花序に出来る花も両性花で、雄性期が終わると、雌シベの成熟なしに枯れてしまう」と説明されていた。読んで行くと、言っていることはどちらも同じであった。資料2では、雄花の位置が示されていたので、理解が深まった。

 資料1: https://blogs.yahoo.co.jp/yokohamaiwao/15193828.html

 資料2:https://matsue-hana.com/hana/yatude.html

 資料3: http://tumu-tumu-tsumura.blog.so-net.ne.jp/2009-01-25
撮影:11月15日
  記  平成29年11月19日(日)
11月30日(木)
ノイバラの果実 托葉の形:クシ状 エノキ エノキの果実 コマツヨイグサ

コマツヨイグサの花 マユミの果実 マユミの果実

11月30日(木)

 ヤツデの近くに丸い赤い果実が見えた。小川の向こう側にあるので、よく見えないが、枝が蔓のように見える。近くに枯れた枝があったので、それを使い引き寄せて見た。つるのような茎には棘が見られる。どうもバラの仲間のように思えて来た。分かりそうな葉がないだろうかと、枝を辿って行くと、やはりバラのような葉が見えて来た。ノイバラ、テリハノイバラの名前が浮かんできた。葉を見ると、太陽に光を受け、照り輝いている。この様子から考えると、テリハノイバラになりそうに思えたが、葉の鋸歯を見ると、鋭く尖っている。又、頂葉が幾分小葉より大きめに見える。ノイバラ、テリハノイバラの大きな違いは葉の付け根にある托葉の縁の形で、クシの様になっていれば、ノイバラになり、単なる鋸歯だとテリハノイバラになるという。そこで、この托葉の形を見たが、鮮明に映ったものがなかった。何とかくクシ状に見えそうなところがある。どうも、これはノイバラになりそうだ。

 資料1: https://matsue-hana.com/hana/terihanoibara.html  資料2:  園道へ戻ると、大きなエノキの樹が目に入って来た。この沿道には何本かの大きなエノキがある。久しぶりのこの樹の葉を確認した。ひし形に近い楕円形をしていて、左右不相称非とか左右不同と言われている。所謂左右が対称になっていない葉脈が目立つ。幹にはひび割れのような皮目がなく、遠目には滑らかに見えるが、近くで見ると、小さな皮目が多く、ざらざらしている。写真には球形の黒っぽい果実が写っていた。

 古民家を目指して進んでいると、左側下に水田が見えてきた。イネが植えられている時は長閑な田園風景が臨まれる。この崖に黄色い花が見えた。「これはコマツヨイグサではないだろうか、随分季節外れに咲いているなぁ」と思った。そこで、コマツヨイグサについて調べると、下記の資料ではオオバナコマツヨイグサが紹介され、花期が5月~10月と説明されていた。この資料を見て、若しかしたらこの花はオオバナコマツヨイグサではないかとの思いがしてきた。オオバナコマツヨイグサはコマツヨイグサより花が幾分大きいという。花の大きさを計測していなかったのが失敗だった。

 資料:http://www.azami.sakura.ne.jp/yasou/y/oobanakomatuyoigusa.html

  マユミの果実が弾き始めて来た。舞岡公園にはマユミの樹が彼方此方に見られ、いずれも赤い実が弾きだしている。今までどんな弾き方をするのか、注意していなかったので、様子を見て歩いた。マユミの果実には4本の稜があるので、この4本の稜から同時に割れて来るのではと思っていたが、見て行くと、多くは2つに割れ、中の果実が顔を出していた。その後、残った2本の稜が割れてくるようだ。

撮影:11月15日
  記  平成29年11月20日(月)