平成29年度                                                            舞岡公園の植物へ
10月8日(日)
カワヅザクラの冬芽 オオシマザクラの冬芽 ミズキの冬芽 メリケンカルカヤ メリケンカルカヤの小花

10月8日(日)

 天気予報によると、今日を過ぎると天気が悪くなるという。土、日は予定が入っているので、今日舞岡公園へ行かないと来週になり、間が開きすぎてしまうと思い、出かけることにした。  地下鉄を下り、バス停へ向かうと、沢山の人が並んでいた。今日は何かあるのだろうかと思った。時刻表を見ると、後1~2分でバスくることになっていたので、バス停の近くで待った。並んでいる人の持ち物を見ると、皆舞岡公園へ行くように見えた。案の定、一向は同じ京急ニュータウンで降りた。

 バスを降りると、一向と離れ、いつも行くコースを目指した。公園内へ入ると、小学生がいっぱいいた。今日は遠足らしい。観察の支度をし、カワヅザクラを見るためにエノキ広場へ向かった。おおなば橋を渡ると、ここにも遠足に来た小学生がいっぱいいた。賑やかに走り回っている児童もいる。いつも静かな公園が、賑やかになり、別世界のようだ。

 カワヅザクラの樹の近くに来た。前と同じように枝が下がっている。早速、枝を下げ、冬芽を見た。芽鱗に艶があり、綺麗に見える。幾分大きくなったかと思い、計測してみた。すると、長さ8㎜、幅3㎜であった。前に計測したのは、7月28日であり、その時は長さ5㎜、幅2㎜であった。2か月余りの期間だったが、幾分大きくなっていることが確認できた。

 次にオオシマザクラを見た。この樹も枝が下がっているので、冬芽が見やすかった。未だ沢山の葉が残っているので、その重みで枝は下がっているようだ。これから葉が落ち始めると、枝が上へ上がり、今見られる冬芽が見られなくなってしまう。冬芽はカワヅザクラとほぼ同じ大きさだった。同じ7月28日のオオシマザクラの冬芽は長さ6㎜、幅2㎜だったので、オオシマザクラの冬芽も大きくなっていることが分かった。

 ここの一画には、サクラの樹に混じり2本の大きなミズキの樹がある。ミズキの樹の枝も下に下がっている。ミズキの冬芽については「赤みを帯び、輝いている」という印象が強く残っている。今の冬芽は緑色に褐色が少し混ざっていて、印象に残っている冬芽には程遠い。大きさを計測してみると、7月28日の長さ8㎜、幅5㎜とほとんど変わらなかった。カワヅザクラ、オオシマザクラそしてこのミズキについて、同じ冬芽を計測しているわけではないので、大きくなっているとは断言できないが、成長していることは考えられる。

 7月28日、ここの草原には、トボシガラが繁茂していたが、今はチカラシバが優占した草原に変わっている。そのチカラシバの隙間を埋めるようにメリケンカルカヤ、シマスズメノヒエ、ヒメムカシヨモギ、メヒシバが見られる。メリケンカルカヤはいま検討中のものの1つである。

 メリケンカルカヤについて実測すると、背丈120㎝、葉の長さ32㎝、幅5㎜であった。葉の基の端には長い毛がある。葉舌は平らで、上部が細裂している。小花については、以前調べた資料1を再度見直してみた。それによると、下記のようになっている。

穂は白い長毛を持つ有柄小穂2本と長い芒(のげ)を持つ無柄小穂1本が セットとなり、種子は風によって散布される。

 資料1:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-1968.html

1つの小花をピンセットで切り離そうとしたが、小花が小さく、風で飛ばされたりするため、1つだけを取り出すことは出来なかった。写真で3本の小穂を確認し始めたが、写真が鮮明でなく、有柄小穂が1本確認できなかった。小花は幾つかがつながっている。この様子を知ろうと資料を探したが、なかなか見つけられなかった。最後に、下記の資料が見つかった。資料によると、有柄小穂2本のうちの1本が次の小穂へ繋がっているとのことだった。資料では、写真入りで分かりやすく説明されていた。

 資料2: http://pepd.blog66.fc2.com/blog-entry-399.html

撮影:10月5日
  記  平成29年10月6日(金)
10月10日(火)
アカシデの冬芽 アカシデの冬芽 コヤブタバコの集合果 コヤブタバコの果実 コブナグサ

コブナグサの小花 コブナグサの葉の付け根 ヤブタバコ ヤブタバコの花 ナツツバキ:黄色く色づいている

カエデ:紅葉が見え始めている

10月10日(火)

 ばらのまる橋へ来た。ここにはアカシデがある。既に果実は落ちて無くなっている。これからは冬芽の観察になる。昨年も今頃冬芽を見ていたと思う。調べて見ると、11月5日の計測では長さ8㎜、幅2㎜であった。今日計測すると、全く同じ長さ8㎜、幅2㎜であった。今頃はこんな大きさかも知れない。明るい茶褐色の芽鱗が10枚以上あるようだ。

 橋を渡るとキブシがある。ここはいつも日陰になっている。キブシの樹には緑色の果実が吊下っている。ここを取り抜け、ハコネウツギを見てモミジ広場へ行った。ここの入り口に、最近名前が分かって来たコヤブタバコがある。もう花期を終え、果実が出来ている。果実を見ると、花茎に対してほぼ直角になっている。蜂の巣のように見えるものが1つ1つの果実になる。1つの果実が如何なっているか知ろうと、ピンセットで摘まむと、多くの果実が転がるように抜け落ちた。もう成熟していたことが分かる。大きさを計測すると、長さ3㎜、幅1㎜であった。手を触れると、粘り付いてきた。

 直ぐ傍にコブナグサが見えた。コブナグサはこれから行く水田の畦道に沢山出てくる。ここで最初の写真を撮った。コブナグサは穂だけを見ると、メヒシバに似ている。しかし、下の葉を見ると、花茎を抱き、幅が広いので、違いが分かる。葉鞘には疎らに毛が見られる。背丈が35㎝、葉の長さ3.5㎝、幅1.3㎝であった。穂を見ると、紫色をしたブラシ状の雌しべが見えたが、雄しべは見えなかった。小花は花軸に1個ずつ付いている。

 ばらのまるの丘へ進んで行くと、左側の藪の縁にヤブタバコが出てくる。最初、このヤブタバコを見た時、先程のコヤブタバコとの区別がつかなかった。どちらも同じような葉をしており、花も蕾のままで開かないので、どこが違うのか、色々調べた時のことを思い出す。ヤブタバコは1本の枝に殆ど柄のない花を沢山付けるが、コヤブタバコは1本の枝の頂部に1つの花を付ける。分かって仕舞えば、「こんなことかぁ」と思うが、ここまで行きつくのに時間がかかった。コヤブタバコは既に花期を終えているが、ヤブタバコの方は花の最盛期と思われる。花を見ると、壺から黄色い花が飛び出てきているように見える。

 目をナツツバキやカエデへ移した。モミジ広場にはまた多くの小学生がいた。先程の遠足の一行と同じ小学校なのだろうか。児童たちは賑やかである。ナツツバキやカエデを見ると、葉に薄く黄色っぽい色が付き始めている。カエデには一部紅くなったところも見える。紅葉や黄葉が始まったようだ。

撮影:10月5日
  記  平成29年10月7日(土)
10月11日(水)
ガンクビソウ ガンクビソウの花 ヤマコウバシの冬芽 ミゾソバ ミゾソバの小花

アキノタムラソウ キンエノコロ ジュズダマ ジュズダマの雄花と雌花 ガマズミの果実

ガマズミの果実と花

10月11日(水)

 ばらのまるの丘から水田へ向かい始めた。坂を下って行くと、左側にガンクビソウがある。このガンクビソウもヤブタバコを調べていた時、コヤブタバコと一緒に学んだ花である。ガンクビソウ、ヤブタバコ、コヤブタバコの三つの花はよく似ている。特に、ガンクビソウとコヤブタバコはよく似ている。この2つの違いは中々分からなかった。ガンクビソウは葉が細く、花の色はコヤブタバコより濃い。今は、花期を終えようとしているようだ。

 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2381.html

 更に坂を下ると、ヤマコウバシがある。葉を触ると、堅く、ネズミモチの様か感じがした。しかし、ヤマコウバシはクスノキ科クロモジ属に入るようだ。クスノキ科だとすると、3脈が顕著であるが、その感じがない。クロモジについて調べると、此方も3脈が顕著でない。クスノキ科でもクロモジ属は3脈が顕著でないようだ。冬芽は黄緑色をしている。形はクロモジよりクスノキに近い。

 水田へ出た時、直ぐに目に入って来たのはミゾソバだった。ミゾソバの花を見るときは閉じている時が多いが、このところ花弁がよく開いている。時刻がお昼頃で、日光がよく当たっているせいかもしれない。ミゾソバはタデ科の花で、花弁はなく、花弁に見えるものは萼であるという。萼片の下は白色で、縁は薄紫色を帯び、5つに裂けている。花柄には濃い茶褐色の腺毛がある。別名ウシノヒタイという。この名前は、葉の形が牛の額に似ているからだという(資料)。よく見ると、なうほどと思う。

 資料: http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/choripetalae/polygonaceae/mizosoba/mizosoba.htm

 直ぐ傍の水路沿いにアキノタムラソウがあった。この花はここへ来る度によく見てきた。しかし、ハルノタムラソウ、ナツノタムラソウ、アキノタムラソウの区別が未だに出来ない。ハルノタムラソウは、ウイキペディアによると、「本州では紀伊半島、四国、九州に分布する」というので、この辺では見られないことが分かった。問題は残りの2つの区別である。何度も調べてきたが、目にするものはこの写真と同じものばかりだった。雄しべの長さ、曲がり方からこの花はアキノタムラソウになると思う。

 前回、舞岡公園でキンエノコロを見たが、アキノタムラソウの近くにキンエノコロが見えた。一株と思ったが、気が付くと、この一角には何株もあるのが見つかった。キンエノコロは、小穂の基にある剛毛が金色であり、エノコログサの中でも遅く咲くようだ。

 水路際にジュズダマがあった。このジュズダマは昨年も見ている。丸い球体は、雌花(糸状)の基にある苞葉の鞘が雌花を包むようになったものであり、玉になる部分から出る2本の白色の毛糸のようなものが雌しべの柱頭になる。また、同じところから小さな葉を伴ったものが出て、その中からおしべと葯が顔を出している。

  資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2396.html


 資料: https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-1891.html

 ガマズミの果実が赤く熟してきた。こういう姿になると、ここにガマズミがあることが分かる。小花は沢山咲いたように思えなかったが、果実の様子を見ると、結構咲いたことを示している「綺麗に色付いたなぁ」と思っていると、果実の一画に花が咲いていた。この現象は昨年も見ているが、紅く実った果実と白色の花が対照的で面白い光景である。

撮影:10月5日
  記  平成29年10月8日(日)
10月12日(木)
キクモの花 ヒメクグ ヒメクグ 花は殆どが上を向いている 根生葉?

ノハラアザミ? この花も殆ど上を向いている 根生葉はない 総苞片短いが、上の方は幾分反っている

10月12日(木)

 先日、水田でキクモを見た。しかし、その時は鮮明な写真が撮れず、花のつくりは殆ど分からなかった。今日は明るいので、鮮明な写真が撮れそうと期待した。水田を見ると、青いキクモは咲いている。しかし、接写は難しい。仕方なく望遠で撮影した。筒状の花で、花弁が5枚と数えられる。正確さを知ろうと、牧野新日本植物図鑑を見ると、「資料によると、花冠は筒状で、・・・上部は浅く裂け、唇形となる」と説明されている。この説明では、上唇や下唇が具体的にどうなっているかが分からない。更に、調べると、下記の資料では、「上唇は幅が広く、先端が少しへこむ。下唇は深く3裂し、裂片の先はとがる」と説明されていた。写真の焦点が合っていないので、正確でないが、上に丸みがあり、中央が浅く窪んでいるのが上唇になりそうだ。

 資料: https://matsue-hana.com/hana/kikumo.html

 玉に疣のようなものが付いている。何処かで見た覚えがあるが、名前が思い出せない。カヤツリグサの仲間ではないかと、資料1を見て、その中のカヤツリグサ科をクリックすると、カヤツリグサ属が表れ、その中にヒメクグが出て来た。写真はこれとそっくりである。ヒメクグは聞き覚えのある名前であるが、過去の資料を調べると、平成24年に石見銀山で見ていた(資料2)。懐かしい思い出が浮かんできた。

 資料1: https://matsue-hana.com/hana/kayaturigusa.html

  資料2:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-372.html

 再びアザミが出て来た。このところ何度も何度もアザミについて考え、この辺にあるアザミは大抵がタイアザミに見え、ノハラアザミが見つからないのではと思うようになってきた。そこで、再び考えることになった。ここに試料が2つあるので、この2つについて検討してみる。

 根生葉はあるように見えるが、これが根生葉になるのか断定できない。大きさを計測すると、長さ34㎝、幅14㎝で、中肋は赤みを帯びているように見える。

 アザミの区別に有力になる総苞片を見ると、総苞片の基には雲毛があり、その中から総苞片が出てきているように見える。また、総苞片の先は反っているようには見えない。これだけの条件が揃うとこのアザミはノハラアザミになるのだろうか。総苞片は4㎜程の長さがあった。

 総苞片はこちらが短いが、上の方は幾分反っているように見える。以上の条件から考えると、タイアザミになりそうだが、この総苞片の長さと形が気になる。

撮影:10月5日
  記  平成29年10月9日(月)
10月13日(金)
アメリカセンダングサ アメリカセンダングサの花 ワレモコウ イヌショウマ イヌショウマの花:柄がない

ユウガギク ヒヨドリバナ ヒヨドリバナの小花 ヌカキビ タカトウダイ

トキワハゼ

10月13日(金)

アザミを見て、水路沿いに進み始めた。ウツギの垣根があったが、大きく伐採され、ネムノキ休憩所がよく見えるようになった。そこでは、バスで一緒だったらしい一行が休んでいた。ネムノキ休憩所の手前へ来ると、アメリカセンダングサが見えた。黄色い花の下にある葉状の総苞がアメリカセンダングサの特徴になっている。小さな舌状花があるというが、写真では分からない

。 傍にワレモコウがあり、花が咲いているように見えた。この塊のような花を穂状の花序と呼んでいる。小花は隙間がないようにぎっしりと詰まっていて、上から咲いてくる。小花には花弁がなく、暗紅紫色に見えるものは萼だという。萼は写真では分かり難いが、先が4裂し、中に黄色い葯をつけた雄しべが4本ある。

 ネムノキ休憩所の横を通り、炭焼き小屋の方へ向かった。園道を横切り、古井戸を過ぎると、垣根に囲まれた中に白色のブラシのような花が見えてきた。花を見ていると、穂の中に果実が見えた。この果実は見覚えがある。以前、古民家を出たところにあったことを覚えている。平成27年10月28日にこの果実を見てイヌショウマと名前を付けていた(資料1)。イヌショウマについて調べ始めると、似たものにサラシナショウマがあると出て来た。写真を見るとほとんどそっくりである。こうなると、イヌショウマと見てきたものが正しいか自信がなくなってきた。そこで、この2つの違いはどこにあるかと調べてみた。すると、資料2で「小花に柄があればサラシナショウマになり、柄がなければイヌショウマになる」と説明されていたので、写真を見直してみた。すると、柄がなくイヌショウマでよいことが分かった。

  資料1:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-1499.html

 資料2: http://hanazukan.hanashirabe.com/xs.php?fid=c0229

 ここの垣根沿いにユウガギクが早くから咲いている。今日は、ばらのまるの橋を渡る前でノコンギクを見たので、ノコンギクとユウガギクの両方を見たことになる。2つの違いは冠毛の様子を調べれば分かってくる。ユウガキクの小花に冠毛がほとんどなかったことは、先日、ここで確認済みである。また、ノコンギクに冠毛があったことは、先程確認してきた。外観的に見ると、ノコンギクは白っぽく、ユウガギクは青紫色がかっているように見える。

 衰えてきたと思っていたヒヨドリバナがワレモコウやつる性のオニドコロなどと絡み合っている。下には、ミゾソバやユウガギクも見える。いろいろなものが絡み合った中にヌカキビも見える。この姿を見ると、ヌカキビも場所によっては、大きく、横へ伸びることもあるのかと思った。

 タカトウダイ、トキワハゼが見えてきた。トキワハゼは一時見ることがなかったが、再び目につくようになった。タカトウダイは意外と花期が長いように思えてきた。

撮影:10月5日
  記 平成29年10月10日(火)
10月14日(土)
ヤマハッカ ヤマハッカ ホトトギス アキノウナギヅカミ アキノウナギヅカミ

コブナグサ コブナグサの小花 キンエノコロ タイアザミ タイアザミ

10月14日(土)

 水路の脇に青紫色の花が見えてきた。以前にも、ここでこの花は見ている。名前はヤマハッカだる。その時の観察記録を見ると、下記のようになっている(資料1)。

稜に下向きの毛がある、葉は対生、葉の裏面の脈上や表面には毛がある、青紫色の小さな唇形花、上唇は4裂して、立ち上がり、中央部には紫色の斑紋がある、下唇は2裂し、前方へつきだし、ふちは内側に巻く

 参照: http://matsue-hana.com/hana/nagabahaedokusou.htm

 ヤマハッカのあるところは日陰になっていて暗く、ヤマハッカ自体が小さい。天気は良く、明るいのだが、ヤマハッカを日当たりに出すことが出来ない。そのため、何枚か写真を撮ったが、思った結果が得られなかった。結果的には、以前の写真の方が鮮明で分かりやすい。

 花の様子を再度確認した。唇形花で上唇が4裂している点と紫色の斑紋は確認できた。下唇は船の帆先のような形のようで、2裂している点は確認できなかった。

 資料1:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-1871.html


 直ぐ近くにホトトギスがあった。ホトトギスはこんなところに生えてくるのだろうかと不思議に思った。牧野新日本植物図鑑では、「中部以南の産地に生える多年草・・・」と説明されている。このことからは、水辺近くに生えてくることは想像できない。ところが、資料1を見ると、「やや湿った崖から垂れ下がって咲いていました・・・」と説明されていて、水辺近くに生えてくることを裏付けていた。花の特徴については、下記の資料2で1度調べたことがあるが、それを見直しながら考え直してみた。

 水路沿いに歩いて行くと、アキノウナギヅカミが見つかった。花の感じはミゾソバに似ている。葉を見るとミゾソバとの違いが分かってくる。葉の基は茎を挟むようになっているが、ミゾソバのように大きな耳がない。所謂、牛の額の形をしていない。ミゾソバと同じように花弁がなく、花弁に見えるのは萼で、5枚ある。

 コブナグサが現れて来た。ここの畔では小さな群落をつくっている。昨年も此処で同じ光景を見たが、濃い茶色の穂を見て、これはコブナグサなのかと、直ぐには分からなかった。今年は、まだ全体が色づいていないようだ。花序はメヒシバのように扇形に開き、花軸の節に小穂が1個ずつ付いている。小花からは雌しべが出ているのが分かる。

 ここにもキンエノコロがあり、小さな群落をつくっている。ここの群落は、先日気が付いた。先程もキンエノコロを見たが、ここの方が沢山ある。キンエノコロの穂はエノコログサのように曲がらない。

 第2ネムノキ休憩所へ来て休んだ。第1休憩所では休めなかったので、ここで水分を補給した。水を飲み、ほっとすると、目の前にアザミがあった。今アザミを見ると、ノハラアザミか、タイアザミか調べている。このアザミは荒々しく、見るからにタイアザミに見える。一応総苞片の反り具合を確認した。花、総苞片をも赤みを帯びていて、総苞片は外側へ反り返っている。タイアザミに間違いない。

撮影:10月5日
  記  平成29年10月11日(水)
10月15日(日)
ナンバンギセル アブラガヤ タイアザミとヒヨドリバナ ススキ イヌショウマ

ツリガネニンジン クコ アブラススキ ヒヨドリバナ、オトコエシ、コムラサキの果実、ガマズミの果実 フジバカマ

10月15日(日)

 先日、この辺でナンバンギセルを見ている。今日はあるだろうかと探したが、先日のところにはもう姿がなかった。別のところにはないだろうかと探すと、1本見つかった。このナンバンギセルを見たとき、蕾なのか、花が咲き終わった後なのかと迷った。そこで、資料の写真を見ていくと、蕾らしいことが分かって来た。更に、蕾の先から出ている白色の正体も雌しべと分かった。雌しべは、面白い形をしていると思った。

 資料: https://matsue-hana.com/hana/nanbangiseru.html


 水路近くの土手を見ると、下草が刈り取られていた。何か新しいものが出ていないか期待していたので、がっかりした。その中でどういう訳か、アブラガヤが1本だけ残されていた。花序が油臭いということからアブラガヤの名前が付けられたという。今まで臭いを調べていなかったので、嗅いでみた。しかし、何の臭いもしなかった。若しかしたら、花期が終えてしまったからもしれない。

 園道へ上がり藪側を見ると、赤紫色のタイアザミと白色のヒヨドリバナが、今が最盛期と思え、沢山見ることが出来る。どちらも、前へ横へと枝を伸ばし、下草の上へと伸びている。勢力が中々強いようだ。

 古民家の入り口へ来た。真っ直ぐ伸びたススキの枝先の穂が目に付くようになった。穂を見ると、穂が開き、小花が咲き始めている。いよいよススキの季節の到来のようだ。藪側には、先程見たイヌショウマが咲き、ササの下にツリガネニンジンの花がかたまっている。

 ササの陰に紫色の花が1輪見えた。瞬間、この時期に、この花は何だろうかとかと思った。花の上下に、かたまった葉が付いている姿を見て、この花はクコであることに気が付いた。同じ花でも、ポツリポツリの光景だと、名前が分からず、迷いが出てくる。

 アブラススキが見えた。穂を沢山付けた枝先が重そうに傾いている。アブラススキは大柄だが、全体が細いので、目立たない。最初この花を見た時は見過ごしていた。アブラススキと分かってからは足が止まるようになった。小穂は枝の節に2つずつ付き、長いノギがある。

 古民家の庭へ入った。庭の前の藪を見たが、花が少なくなり、寂しい風景に変わりつつある。その中で、大きく枝を垂れたミヤギノハギに花が残っていた。少しでも色が付いていると、そこへ目が惹き寄せられる。左横には、ヒヨドリバナ、オトコエシが見える。オトコエシは花期を終えているようだ。バックのコムラサキの果実、ガマズミの果実が微かに秋を告げている。

 花壇のフジバカマの蕾に色が付いて来た。この蕾が開くと、ヒヨドリバナのような花が咲いてくる。フジバカマの葉は3裂しているが、ヒヨドリバナの葉は単葉であるので、葉と花の色を見ると、ヒヨドリバナとの違いが分かる。

撮影:10月5日
  記  平成29年10月13日(金)
10月16日(月)
メナモミ?、コメナモミ? メナモミ?、コメナモミ? ツリフネソウ ミツマタ クサギ

カラスウリ ホトトギス ホトトギス

10月16日(月)

 古民家の植込みに初めて見る花があった。一寸した感じはアメリカセンダングサに似ている。中央に黄色い花があり、その下に苞葉と思われる緑色の葉のようなものが、5角形の軸に放射状に延びている。

 手掛かりが少ないので、インターネットを使い、「アメリカセンダングサに似た黄色い小さな花」で検索すると、質問コーナーが出てきて、この花にそっくりな花の名前として、「メナモミ」が紹介されていた(資料1)。そこで、メナモミの詳細を知ろうと、「メナモミ」で検索すると、今度は「コメナモミ」の名前が出て来た(資料2)。

 メナモミと知り、オナモミを思い出した。オナモミの果実は見たことがあるが、花は見ていなかったので、オナモミの花を調べると、メナモミとオナモミの花は全く違っていることが分かった(資料3)。  この花はメナモミ、コメナモミのどちらになるのだろうか。2つの違いを資料2で調べると、「メナモミの花柄には腺毛があり、茎には長い開出毛がある」と説明されている。この2点については解決できなかった。

 資料1: https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11114737

 資料2:https://matsue-hana.com/hana/komenamomi.html

 資料3: http://www.geocities.jp/mc7045/sub224.htm

沼の角にツリフネソウが見えた。先日も探したが、見つからず、今日咲き始めたのを急に見た。そのため蕾からの様子は掴めなかった。唇形花で、上唇は立ち上がり小さい。下唇は2枚に分かれ、前へ突き出ている。この花の特徴は萼にある。3枚のうち小さい2枚は上唇の上にあり、残りの1枚が袋状になって大きく膨らんでおり、後方が渦を巻いた距になっている。

小さな沼を通り過ぎると、オミナエシやミツマタが見える。オミナエシは花期を終え、ミツマタは蕾が大きくなり始めていた。ここからクサギの果実が見える。青色の果実は赤褐色の萼で包まれている。

右側にオレンジ色の果実が見えた。久しぶりに見るカラスウリである。ここにカラスウリがあったことに気が付かなかった。そう言えば、今年はカラスウリの花も見ていない。綿毛のような花で、夏の日の夕暮れ時から日没までの一時間ほどの間に開花し、翌朝,日が昇る頃には萎んでしまうという。

 資料: https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2367.html

ホトトギスが咲き出した。特徴的な花で、奇妙なつくりをしている。6枚に見える花弁は外側の3枚が萼であるという。中々見分けがつかない。中央に立ち上がる円筒は1本の雌しべに6本の雄しべが張り付いていて、表面に紫色の斑点がある。雌しべの先は3つに割れて、更にそれぞれが2つに割れている。雄しべの先に付く葯は紫色をしている。外皮片の根元にはこぶ状の距が1対あり、ここに密が溜まっている。

撮影:10月5日
  記  平成29年10月13日(金)
10月17日(火)
ノハラアザミ ノハラアザミ:根生葉 ノハラアザミ:総苞は下が膨らんだつぼ型 ノハラアザミ:総苞片は緑色で斜め上へ伸びている ノハラアザミ

ヤマハッカの葉 ヤマハッカ シロバナホトトギス コナギ コムラサキ

キツネノマゴ キツネノマゴ

10月17日(火)

 このアザミは9月14日に検討したアザミである。その時はこのアザミはノハラアザミではないかとした。今日改めて見直し、再検討してみた。全体を見ると、荒々しさがなく、葉は下の方に集中している。下の葉をかき分けて見ると、タイアザミと明らかに違い、根生葉と思われる葉が見える。その葉の中肋の基の方は赤紫色をしている。この点は、ノハラアザミを裏付けている。花に目を移した。総苞は下が膨らんだつぼ型をしており、総苞片は緑色で斜め上へ伸びている。また、上の方の総苞片の先は暗褐色を帯びている。やはり、このアザミはノハラアザミになるに違いない。

 資料: https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2410.html  

   直ぐ近くに背丈は低いが、先程のアザミと同じようなアザミが見つかった。根生葉、総苞片を確認すると、此方の総苞片が短く、ノハラアザミに近いと思える。

 道を挟んで畑側に青紫色の花が咲いていた。対生の皺の寄った葉を見ると、シソ科の花らしいことが分かる。花を見て、これはヤマハッカではと思った。今まで見てきたヤマハッカは背丈が低かったので、この花は別物に見えた。牧野新日本植物図鑑によると、高さは60~90cm位と書かれているので、納得できた。何度も見てきているが、この花は、口を尖らした動物の頭に見えてくる。

 古民家を出たところに、シロバナホトトギスがある。古民家の裏庭でホトトギスが咲いていたので、ここでも咲いているのではと、予想していた。見ると、やはり咲いていた。純白なので、また違った趣がある。シロバナホトトギスは園芸品種と言われている。

 水田へ向かう土手にはヒヨドリバナが彼方此方に咲き乱れている。水田を見ると、青紫色の花が見えた。コナギである。9月30日に瓜久保の水田でも同じ花を見ている。どちらも水田の中なので、近くで見られないのが残念だった。先日の写真では、外皮片3枚、内皮片3枚と花弁が6枚に見えたが、今回は確認できなかった。

 水車小屋の下のコムラサキの果実が綺麗な紫色に色づいてきた。同じ仲間のムラサキシキブは、果実がたくさん残らないので、このような姿にはならない。

 キツネノマゴの花がまだ残っている。秋が深まって来たせいか葉の方は色が褐色がかり変色してきたが、「随分長い期間咲き続けるなぁ」と思う。

撮影:10月5日
  記  平成29年10月15日(日)
10月18日(水)
赤みがかったススキ 赤みがかったススキの小穂 アカネ マユミのの果実 ミゾソバの群落

アキノウナギツカミの群落 アキノウナギツカミの花

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10月18日(水)

 ススキやオギが穂を付け始め、秋が深まって来た。園道へ出ると、赤みを帯びたススキがあった。今までススキは、セイタカアワダチソウの金色の世界に対し、銀色の世界をつくるということで、穂は白色とばかり思っていた。ところが数年前から、このような赤みがかったススキの存在に気が付いてきた。「白色のススキが、赤く変わって来るのでは」と思っていたが、何か違いそうに思えたので調べてみた。

 資料1によると、「ススキの小穂の基部の毛が紫色を帯びるものを品種としてムラサキススキ」と説明されていた。しかし、写真を見ると、毛の紫色は明確でなかった。他の資料を探したが、毛が紫色になっているものは見つけられなかった。

 資料2によると、赤いススキ、白いススキ、薄茶色のススキと3つのケースがあることが紹介されていた。さらに、1つの株から赤いススキと白いススキが出ているケースも紹介されていた。

 こうなると、白いススキと赤いススキは別物なのか、同じものなのか分からなくなってしまった。  そこで、原点に戻って、牧野新日本植物図鑑を開いてみた。すると、1節から出る2個の小穂の柄の長さの違いが書かれていた。それによると、「ススキは1個が無柄で他は短柄、ムラサキススキは1個が長梗、他は短梗」と説明されている。

そこで、赤みを帯びたススキの小穂の柄を見直すと、1個が長梗、他は短梗になっていた。穂の基の毛が明確でなかったので、牧野新日本植物図鑑を開いてみてよかった。「牧野さんは、実に細かい点を見ているなぁ」と思った。このススキはムラサキススキに落ち着きそうだ。

 資料1: https://matsue-hana.com/hana/susuki.html

 資料2: http://blog.goo.ne.jp/ryotoy/e/faf0ca4a230cbd18fcb1e9a9384a7575

 北門のところにアカネが見えた。アカネの葉は4輪生と思っていたが、この花を見ると、葉は対生の様でしっくりしない。このことを調べようと、牧野新日本植物図鑑を見たが、この辺の説明はされていなかった。下記の資料を見ると、「4枚ずつ節から出ているように見えますが、これは対生する2枚の葉と托葉が変化して葉身様になったものです。茎の下部は葉が6枚で中部が4枚、最上部では2枚となっていますが、いずれも托葉の変化によるものです。」と説明されている。これを読んで、今見ているアカネの葉が対生になっていることが理解できた。

 資料: http://www.e-yakusou.com/yakusou/009.htm

 北門を出たところに大きなマユミの樹がある。淡緑色だった果実がピンク色に変わり、目立つようになってきた。写真を撮ったが、時刻が遅くなったため、黒ずんでしまった。実際には写真よりも鮮やかに見える。

 ここから下の沼に降りオギを見ることにした。階段を降りて行くと木道の両側にミゾソバがぎっしり咲いていた。よくもこんなに隙間なく咲くものだと思った。まさに1つの小群落である。さらに奥へ進むと、そこにはアキノウナギツカミが咲き出していた。ミゾソバとアキノウナギツカミはよく似ている。ここの群落は一見ミゾソバの群落に見えたが、よく見ると、ミゾソバとアキノウナギツカミが住み分けていることが分かる。肝心なオギを見たが、オギからはまだ穂が見られなかった。

撮影:10月5日
  記  平成29年10月16日(月)
10月19日(木)
セイタカアワダチソウ シロノセンダングサ シロノセンダングサの葉 カラムシ カラムシの雌花

ハナタデ ハナタデ

10月19日(木)

 セイタカアワダチソウが咲き出した。先日は未だ蕾の状態だったが、今日は沢山花が開いている。ススキが咲き、遅れてセイタカアワダチソウが咲くと思っていたが、ほぼ同じ時期に咲き出したようだ。セイタカアワダチソウは太い茎を真直ぐ伸ばしてその先に大きな花序を付ける。これからはセイタカアワダチソウの金の世界が彼方此方で見ることが出来るようになる。セイタカアワダチソウについては過って調べたことがある(資料)。もう1度振り返って見ると、1つの小花は、中心に筒状花、その周りに舌状花をつけている。筒状花は開くと先が5つに分かれる。舌状花のめしべの先は2つに分かれている。

 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-390.html

 シロノセンダングサが見えた。センダングサの仲間の1つで、白色の舌状花が明確に見える。センダングサの仲間にはいくつかある。花が咲けば、凡その違いから名前が分かるが、花が咲いていないとアメリカセンダングサ以外はほとんど区別がつかない。葉は奇数複葉、小葉は楕円形、頂葉を除くと柄はなく、先が細くなり、先端は鈍形、茎は稜があり、断面は四角、節、葉柄は濃褐色をしている。

 ここから舞岡川沿いにあるカラムシを見るために小川アメニティーへ入った。ここで最初にカラムシを見た時、この花をヤブマオとばかり思っていた。しかし、葉の裏を見ると白色の毛が密生していたので、調べ直しカラムシだったと気が付いた。

 このところヤブマオの雄花を探していて、偶然カラムシの雄花を見る機会があった。そこで、舞岡川沿いのカラムシで再度確認しようと思った。ところが沢山あったと思ったカラムシは大分刈り取られていた。残されたカラムシを見たが、見えるものは雌花ばかりで、雄花は見つからなかった。三ッ沢のせせらぎで見た時は枝の先方に雌花の花序があり、下の方に雄花の花序があった。この姿はここでは見ることが出来なかった。

 期待が外れ残念だった。仕方なく元の園道へ戻り始めた。舞岡川に沿って進むと、白っぽいタデが見えた。葉を見ると、中央に黒い斑紋があり、先は尾状になっている。小花はそれほど密についていない。この状況から判断すると、ハナタデと思われる。

  記 平成29年10月16日(月)

撮影:10月5日
  記 平成29年10月16日(月)
10月30日(月)
ムラサキシキブの果実 前田の丘へ向かう坂 ハナタデ ハナタデ キツネノマゴ

ガマズミの果実 オトコエシ オトコエシの果実

10月30日(月)

 何日雨の日が続いただろうか。昨日に続いて晴れて来たので、久し振りに舞岡公園へ出かけた。今年は未だノコンギクが沢山咲いたところを見ていないので、是非見ておこうと思っている。また、フジバカマとヒヨドリバナの違い、コメナモミの確認等調べたいものが溜まってきている。

 地下鉄の駅から出ると、前をバスが通り過ぎて行った。前に、そのまま行かれてしまったことがあったので、今回もまたそうなるかと思った。バスを追いかけようと、バス停を見ると、何人かの人が並んでいたのでバスは停車してくれた。今回は運よく、バスに乗ることが出来た。バスに乗ってみると、何時もと違うバスだったので、今日は逆コースを進むことになった。

 舞岡公園へ入ると、右の藪に紫色の果実が見えてきた。ムラサキシキブの果実である。ムラサキシキブはコムラサキと違って、多くの果実が残っている場面は余り見かけない。ところが、このムラサキシキブは離れた所からも、分かるくらい沢山の果実が付いていた。

 このコースは久しぶりである。坂を上り前田の丘へ向かった。右側の斜面にはエゴノキ、ウツギなどがあるが、この時期はほとんど目立たなくなっている。下の方を見ると、ハナタデが沢山ある。花が開いているものがないか探したが、幾つもなかった。タデの仲間は、どのタデを見ても蕾の時が多い。

 タデに混ざって明るい紫色の花が見えた。日が当たっているせいか、余りにも鮮やかに見えたので、何の花か考えてしまった。でも、直ぐにこれはキツネノマゴと分かった。この時期は、キツネノマゴはほとんど姿を消している。そんな先入観があったので、この美しさには驚かされた。

 赤いガマズミの果実が見えてきた。先日も見ているが、秋が深まったせいか、先日よりも赤みが増してきている。また、今日は光が当たっているので、艶が出て、映えて見えた。

 右へ曲がり、更に上って行くと、左側にオトコエシがある。もう先日の華々しさは無くなっていた。多少花が残されているが、殆ど果実へ変わっている。果実を見ると、円形に近いハート形をした小苞の上に淡緑色の塊が乗っかっている。オトコエシの花は白色で、先端が5つに分かれていた。その花からはこの果実の形が想像できない。下記の資料によると、果実の成熟とともに小苞が翼状に大きくなってくるという。

 資料: https://matsue-hana.com/hana/otokoesi.html   

撮影:10月27日
  記  平成29年10月28日(土)
10月31日(火)
前田の丘 ヤマグワの冬芽 アカメガシワの冬芽 ムクノキの幹 ムクノキの葉

ムクノキの冬芽 マユミの冬芽 クリ クリの冬芽

10月31日(火)

 前田の丘へ出ると、周りが明るくなってきた。伸びていた草が刈られ、地面が現れていたからである。あれだけの草を刈り取ることはかなりの労力が必要であり、刈られた草はどこへ行ったのだろうか。

 草がなくなったので、以前のように向こうの樹々を見ることが出来る。右側のヤマグワから見始めた。ここのヤマグワは大きな樹で、枝が下の方まで下がっていた。冬芽を見ると、小さいが丸々と太っている。いつも見る冬芽は数枚の乾いたような芽鱗で覆われているが、この冬芽は外側の芽鱗の中から飛び出てきているように見える。長さが8㎜、幅が5㎜あった。

 奥の右端にはアカメガシワの樹がある。ここまで入るのは6月27日以来である。9月に入ろうとしたら、草がが生い茂り入ることが出来なかった、この冬芽は芽鱗がなく、柔らかそうな毛で覆われた裸芽である。

 手前のアカメガシワは雄株で、奥に雌株があるので様子を見に奥へ入った。すると、2本並んでアカメガシワの幹があったので、此れが雌株かと思った。ところが、その幹から伸びている枝の葉を見て、これは変だと気が付いた。アカメガシワの葉は広く大きい。ところがこの葉は楕円形で、幅が広くない。幹を見ると、縦方向に入る赤茶色の線模様が見える。これはアカメガシワの特徴を示している。葉をもう1度見直すと、ムノキの葉にも若干似ている気がしてきた。そこで、ムクノキの幹について調べてみた。すると、下記の資料の幹を見ると、若い幹には縦方向に赤茶色の線模様が見られる。普通見かけるムクノキは大木で、下の方の樹皮は剥げかかっている。この印象が強く、若い幹の樹皮の様子は知らなかった。アカメガシワと思ったこの樹はムクノキになりそうだ。ムクノキとなれば、冬芽の形も一致してくる。結局、奥にある雌株は分からなかった。

 資料:https://matsue-hana.com/hana/mukunoki.html

 直ぐ近くに、マユミの樹がある。葉は大分痛んできて落ちかかっている。弾力性がなくなっているせいか、軽く引っ張っただけで葉は取れてしまった。秋が深まり、葉が弱ってきていることが分かる。葉が対生しているのと同じように丸い冬芽が葉腋に対生していた。

 直ぐ隣にクリの樹があるので、その冬芽を見た。今年の2月8日に、ここで丸っこい形をしたクリの冬芽を初めて見ている。その時は、暗褐色をしていたが、今日は明るい黄褐色をしている。先端の黄色い部分は外へ出始めているように見える。

 資料: https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2112.html

撮影10月27日
  記  平成29年10月28日(土)